ラグビーリパブリック

拓大魂をワールドカップで! 日本代表のヘル ウヴェ&具智元

2019.10.07

サモア戦勝利後。日本代表のヘル ウヴェ(手前・右)と具智元(撮影:松本かおり)


 10月5日、日本代表はサモア代表を38-19で撃破し、ラグビーワールドカップ初の8強入りに近づいた。
 この試合、日本代表に最多7人を送り込んだ帝京大OBは先発4、リザーブ3で全員がピッチに立った。そして、東海大出身(3人)に次いで3位の拓大出身2人もサモア戦に出場した。
 先発のプロップ3番、具智元(グ・ジウォン)。アイルランド戦で前半35分、スクラムで勝ち雄たけびをあげていた。この日も愚直に自分の仕事であるスクラムを組み、後半11分で退いた。
 具の3年先輩、ロックのヘル ウヴェは、19番をつけてリザーブ入り。後半27分にようやくワールドカップ初出場を果たす。
 そして、魅せた。
 後半32分、サモアが攻め込みトライとゴールを奪った。スコアは日本の26-19。同点や逆転の可能性もあった。日本はプールAを突破しベスト8入りするためにも、ボーナスポイント獲得へあと2トライが必要だ。
 リスタート、サモア陣左中間22メートルラインに蹴り込まれた。
ボールを確保したサモアに日本がタックル。ブレークダウンになった。
 密集の中、ヘルがボールをジャッカル(奪い)、ターンオーバー。日本はつなぎ、ウィング福岡堅樹の右中間へのトライになった。

 試合を観戦した、ヘルと同じヤマハ発動機ジュビロに所属するSH矢富勇毅は、「ウヴェのジャッカルが見たい」と知人に話していた。
 このプレーがなかったら日本の4トライはなかったかもしれない。

2013年度拓殖大の主将だったヘル ウヴェ(撮影:見明亨徳)
大学時代の具智元。2013年11月の法大戦(撮影:見明亨徳)

 2人の活躍を拓大の遠藤隆夫監督もなんとかチケットを手に入れ、現地観戦した。
「日本代表になって2人のプレーは安定するようになりましたね。ジウォンにはアイルランド戦の後に『ワールドカップを楽しめ』と連絡しました。『楽しみます!』と返事があった」

 2人は2013年度シーズン、ヘルが4年生で主将、具は1年生だったがレギュラーで戦った。
 しかしリーグ戦は1部7戦全敗で最下位。2部との入替戦に臨み、くしくも日本代表センターになったラファエレ ティモシー率いる山梨学院大に26-50で敗れ降格となった。

 具は「ウヴェさんと一緒に試合に出て拓大魂を見せたい」と常に語っている。
 ヘルは「ラファエレに南アフリカ戦(9月6日、熊谷ラグビー場)の時、『大学時代、ここで僕らが勝った』といじられました。当時の仲間たちと一緒にワールドカップへ出ることが嬉しい」。

 2人は拓大の学内誌8月号に登場した。
 そこでは次のように感謝と決意を述べている。
「具:(拓大の)4年間の努力の積み重ねは今、プロ選手としての自信につながっています」
「ヘル:拓大OBとしてのプライドを持って試合に臨みます」

 10月13日、初の決勝トーナメント進出をかけたスコットランド戦が行われる。

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