負けたらプールステージ敗退がほぼ確実になる、プレッシャーがかかる大一番で、南アフリカ代表“スプリングボックス”がイタリア代表を49-3と圧倒した(10月4日/静岡・エコパスタジアム)。初戦でライバルのニュージーランド代表“オールブラックス”相手に黒星を喫したが、これで2勝1敗(総勝点10)となった。
一方、3年前に南アを初めて倒し自信をつけていたイタリアは、この試合に勝てば悲願のベスト8入りが決まるところだったが、アイルランド撃破で世界中を驚かせた日本に続く「静岡の衝撃」とはならなかった。イタリアは南アと同じ2勝1敗(総勝点10)だが、直接対決で敗れ、2位争いは厳しい状況となった。
プールBは、難敵の南アを下し開幕から2連勝のニュージーランドが1位通過するという見方が強い。
最終節で南アが格下カナダとの対戦を控える一方、イタリアは3連覇を狙うオールブラックスとの勝負にすべてをかけることとなる。
ノックアウトステージでは、この組(プールB)の1位、2位が、日本などがいるプールAの2位、1位と準々決勝で対戦する。
小笠山総合運動公園エコパスタジアムに観客4万4148人。
開始1分、イタリアの背番号3をつけたPRシモネ・フェラーリが無念の負傷交代。直後、イタリアはスクラムで圧倒され、反則を犯す。敵陣深くに入った南アはラインアウトからの連続攻撃で徐々に相手の守備を崩し、右外でもらったWTBチェズリン・コルビが軽快なフットワークでディフェンダー2人をかわし先制トライを挙げた。
イタリアは18分、途中出場の右PRマルコ・リチョーニが脳しんとうの疑いで退出となり、スクラムはノーコンテストとなった。
10-3で迎えた26分、南アはラインアウトから強力なドライビングモールでトライラインに迫り、持ち出したHOボンギ・ンボナンビがインゴールに飛び込んだ。
17-3で折り返し、イタリアは後半開始早々、FLブラーム・ステインのビッグゲインから次々とつないでゴールに迫ったが、南アは耐えた。そして、ボールを手にした南アのNO8ドウェイン・フェルミューレンに対してイタリア選手が2人がかりで持ち上げ頭から地面に落とすような危険なタックルをしたとして、背番号1のアンドレア・ロヴォッティにレッドカード。一発退場でイタリアは苦しくなった。
イタリアは14人で奮闘していたものの、50分(後半10分)、南アがPGでリードを拡大。
数的有利の南アはさらに52分に、右に大きなスペースを見つけたSOハンドレ・ポラードのキックパスから、WTBコルビがゴールに持ち込んだ。
そして57分、攻守が目まぐるしく変わるなか、CTBルカンヨ・アムがインターセプトで独走し、南アは4トライ目でボーナスポイント獲得となった。
相手にプレッシャーをかけ続けた南アはその後、3トライを追加。イタリアにゴールラインを割らせなかった堅守も勝因となった。