ジャパンの猛タックルを浴びたのは5日前。アイルランドは10月3日、神戸で行われたロシア戦に日本の先発から11人を代えてスターティングメンバーを組んだ。
SOの位置には、大黒柱のジョニー・セクストンが立った。
その世界的スターには、やはりオーラがあった。立ち上がりからボールを持つたびに大歓声が上がる。信頼の司令塔が復帰したからか、チームにも余裕が感じられた。
先制は開始1分30秒。アイルランドは右ラインアウトからピッチ中央を攻め、FWで前進。ラックの横に走り込んだFBロブ・カーニーが防御を突破して40メートルを走り切った。
2つめのトライは、セクストンの判断と技が光った。
前半13分、自陣ラインアウトから攻めたグリーンのジャージーは、キックを上げる。ロシアがキャッチしたところをつぶしてターンオーバー。その後のラックから出たボールを背番号10が巧みに防御裏に転がし、FLピーター・オマーニーがインゴールに持ち込んだ。
そして34分にもトライが生まれる。敵ゴール前、中央でのスクラムから近場を攻め、最後はFW がパワープレー。FLリース・ラドックがトライラインを越えた。
前半は21-0。アイルランドが大きくリードを奪って終えた。
ロシアもしっかり踏み込んだパワフルなタックルで相手を押し込んだり、CTBキリル・ゴロスニツキーやFBワシリー・アルテミエフ主将が果敢に攻めた。何度もスタジアムを揺らしたが、インゴールに入ることはできなかった。
後半、アイルランドが待望の4トライ目を奪ったのは21分過ぎだった。
ロシアのキックを受けて攻めた。中盤をFWで攻め、途中出場のSOジャック・カーティーが防御裏にショートパント。それを再確保した選手の横にWTBアンドリュー・コンウェイが走り込み、防御を振り切った。コンバージョンキックも決まり、スコアは28-0だ。
35分過ぎにも自陣から攻めてCTBガリー・リングローズがトライ。ファイナルスコアは35-0。完封勝ちだった。
勝者はミスも目立ち、思い通りの試合とはいかなかったが、ボーナス点付きの勝利を挙げて今大会の通算成績を2勝1敗、勝ち点11とした(日本は2戦で勝ち点9)。
ロシアは3戦全敗で、いまだ勝ち点を得ることができない。