ラグビーワールドカップ史上初の3連覇を狙うニュージーランド代表“オールブラックス”が10月2日、大分スポーツ公園総合競技場に登場し、プールBの2試合目をカナダ代表と戦い63-0と大勝。4トライ以上(9トライ)挙げたためボーナスポイントも獲得し、2勝0敗で総勝点を9に伸ばした。
世界で最もエキサイティングな最強軍団と呼ばれる黒衣の男たちだが、前半は集中力を欠いたかのようにエラーを多発した。スクラムで圧倒してのペナルティトライから始まり、SOリッチー・モウンガの正確なクロスキック、CTBソニービル・ウィリアムズの個人技などでハーフタイム前にボーナスポイント獲得を決めたが、ハンドリングエラーが多く反則も重なり、前半、気の抜けたような王者にスタジアムは重苦しい空気が漂った。
エラーの原因はドームスタジアムの湿気だった。試合後、キアラン・リード主将が明かした。
「暑さはそうでもなかったが、湿気があって汗だくになり、厳しいコンディションだった」
しかし、ハーフタイムのブレイクをはさみ、オールブラックスは観客を興奮させることに成功する。後半開始早々、CTBソニービルが抜け、パスをもらったWTBリーコ・イオアネがフィニッシュ。その4分後には細かくパスをつないでスピーディーな連続攻撃からLOスコット・バレットがゴールに持ち込んだ。その2分後にはモールからすばやく動かしてFLシャノン・フリゼルがトライ。49分にはFBボーデン・バレットがブレイクスルーでSHブラッド・ウェバーにつなぎ点差を広げ、56分にもウェバーの連続トライでスタジアムを沸かせた。
一方のカナダは、前半、相手のロストボールからSHゴードン・マクローリー、SOピーター・ネルソンが好走でビッグゲインし、チャンスを作ったが、オールブラックスはしぶとく簡単にはトライを許さなかった。カナダはセットピースが不安定で、特にラインアウトは5本スチールされるなど無得点の原因となった。
2連勝のニュージーランドは次戦、10月6日に東京スタジアムでナミビアの挑戦を受ける。0勝2敗のカナダは8日に神戸市御崎公園球技場で南アフリカと対戦する。