荒天の予想に試合開催が危ぶまれていた。
しかし台風は進路を変え、福岡でのフランス×アメリカ(プールC)は無事に実施。やや風は強いものの、平日の16時45分キックオフにも関わらず、スタンドを満員の観衆が埋めた。
国歌斉唱時にザーッと通り雨が降った。しかし試合中には青空も見えた。
前半は12-6。2トライを奪ったフランスがリードを奪った。
まずは5分過ぎ。キックカウンターで前進した後のラックからPRエメリック・セティアノ、LOベルナール・ルルーが豪快に走って前進。最後はSOカミーユ・ロペスが防御裏に蹴ったキックをWTBヨアン・ユジェが受け、インゴールに入った(トマ・ラモスのコンバージョンキック成功)。
2トライ目は23分過ぎ。このときはラインアウトからフェーズを重ね、最後はまたもSOロペスのキックパス。今度はWTBアリヴェレティ・ラカが右コーナーでキャッチし、インゴールにボールを置いた。
鮮やかなトライを奪ったのはフランスも、大きな声援を浴びた回数はアメリカが多かったか。武骨なプレーでたびたび好機をつかみ、ピンチをしのいだ。
自陣でのスクラムで組み勝ち、PKを得たのはPRエリック・フライだ。チームはその攻撃からPGを得て3点を獲得した。
30分過ぎのPGは、敵陣深くで圧力をかけてボールを奪取して攻撃権を得た。スクラムからWTBマーティン・イオセフォを入れて前進し、FWで少しずつ前進を重ねる。たまらずフランスは反則し、SOのAJ・マギンティがこの日2本目のPGを決めた。
後半は24分までスコアが動かなかった。立ち上がりにフランスが攻め込むも、追う側が必死に抵抗したからだ。
アメリカはゴール前の2度のピンチで体を張り続け、ターンオーパー。タッチキックで陣地を取り戻した。相手の反則を誘った。そして、やがて自分たちに流れを持ってきた。
SOマギンティがこの夜3本目のPGを決めたのも、相手に圧力をかけてミスを誘い、敵陣に攻め込んだ時だ(後半24分)。3点差に迫った。
しかしフランスはその直後から思い切ったアタックを見せ、局面を変えた。
リスタートのキックオフでアメリカが蹴り返してきたボールを全員で攻める。自陣からボールを動かし、フェーズを重ねながら前へ出て最後はCTBガエル・フィクーが右中間に入った(コンバージョンキックも決まって19-9/後半27分)。
その3分後にはアメリカボールを奪取した直後に大きく右展開。空いたスペースを鋭く攻め、サボートに走ったSHバティスト・スランがトライラインを超えた。コンバージョンキックも決まり26-9とする。
試合終了直前にもFWが追加のトライを決め、SOロペスがコンバージョンキック成功で試合を締めくくる(33-9)。
4トライ以上獲得でボーナス点付きの勝利を手にして、今大会の成績を2戦2勝とした。