プールDの1位通過を争う強豪同士の激突を制したのは、今年のヨーロッパ王者であるウェールズ代表だった。9月29日に東京スタジアムで前回ワールドカップ準優勝チームのオーストラリア代表と激突し、29-25で競り勝った。
ウェールズがワールドカップでオーストラリアに勝ったのは、1987年の第1回大会以来2度目。
プールDの1位、2位はプールCの上位と準々決勝で対戦することになっており、D組暫定2位のオーストラリアはプールCで現在1位のイングランドと対戦する可能性が高まった。
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ウェールズは開始1分も経たぬ間にSOダン・ビガーがドロップゴールを決め、オーストラリアの出鼻をくじいた。スクラムでオーストラリアに反則があり敵陣深くに入った12分には、アドバンテージをもらうとビガーがクロスキックを放ち、空中戦にCTBハドリー・パークスが競り勝ってトライを決めた。
対するオーストラリアは、両FL、マイケル・フーパーとデイヴィッド・ポーコックがブレイクダウンでファイトし流れを変え、20分、CTBサム・ケレヴィの力走もあってゴールに迫ると、SOバーナード・フォーリーからのクロスキックボールをWTBアダム・アシュリークーパーが確保し5点を奪い返した。
その後、ショットで2点差まで詰めたオーストラリアだが、反則が続いてウェールズに2本PGを許し、点差は拡大。リスタート直後にはSHウィル・ゲニアのパスを赤いジャージーの9番、ガレス・デーヴィスがインターセプトして60メートル走り切り、点差はさらに広がった。
23-8で折り返したウェールズは後半早々、途中出場のSOリース・パッチェルがドロップゴールを決め、18点差がついた。
だが、オーストラリアはここから意地を見せ、45分(後半5分)、SOマット・トゥムーアの好走でゴールに迫り、FLポーコックからオフロードパスをもらったFBデイン・ハイレットペティがトライ。ウェールズの堅守に対し、61分にはFWがゴール前でピック&ゴーを繰り返し、主将のFLフーパーがインゴールに突っ込み押さえた。流れを変えたオーストラリアは敵陣でボールをキープし攻め続け、66分にはスクラムでPGチャンスを得、1点差に詰めた。
しかし、競り勝ったのはウェールズ。71分にPGで4点差とすると、最後まで堅守を貫き、歓喜の瞬間を迎えた。