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日本中、そして世界が見つめた日本×アイルランドは9月28日、午後4時15分のキックオフで始まった。19-12。ジャパンが魂の勝利を手にした。
先制点はアイルランド。前半13分過ぎ、左ラインアウトから攻める。ピッチ中央でのラック後に右に展開し、CTBガリー・リングローズがミスマッチを突いて前へ出た。
その後FWがフェーズを重ねてトライラインに迫ると、ジャパンはたまらず反則。アイルランドはアドバンテージを得るなか攻め続け、最後はSOジャック・カーティーが右へキック。リングローズが受け、そのままインゴールに入った(5-0)。
ジャパンも17分過ぎにSO田村優がPGを決めて差を詰めるも、アイルランドは19分過ぎに加点した。
スクラムで圧力をかけて得たPKを右に蹴り出す。その後のラインアウトから大きく左へ攻めて防御を崩すと、折り返しのアタックで徐々に食い込む。ここで日本は反則。アイルランドはまたもアドバンテージを得るなかで防御裏にキックを上げた。競り合ったボールをFBロブ・カーニーが奪い、インゴールに入る。コンバージョンキックも決まり、12-3とした。
緑のジャージーがジャパン陣内に入る時間が長かったが、それでもジャパンは攻める気持ちを少しも緩めなかった。
アイルランドが警戒していた攻撃のテンポは速いまま、特にFW第3列がフィジカルの強さを発揮して接点で前へ出る。コンビネーションもよく、緑の壁を惑わせた。
31分、田村のPGで12-6。相手がラインアウトでミスしたボールを奪って攻め続け、反則を誘った。
39分にも田村がPGを決めて12-9とした。40メートルを超えるロングキックは、安定したスクラムからサイド攻撃を仕掛け、連続アタックを継続するなかで反則を誘ったものだ。
ハーフタイムに入る直前も、攻め込んでいたのはジャパンだ。フィフティーンは大声援のなかロッカールームに引き上げ、後半に備えた。
ジャパンのキックオフで始まった後半は、ホームチームの時間が5分続いた。しかし攻め切れない。それでも集中力は保ったままだった。
アイルランドが攻め込んで得たラインアウトを集中力高くカットし、ピンチをしのぐ。自陣でも積極的に攻め、敵陣へ入った。
攻め続ける強い気持ちが実ったのが後半18分過ぎだ。
敵陣右深くで得たスクラムから、WTBレメキ ロマノ ラヴァを縦に入れて前進。そこから左に展開し、最後は途中出場のWTB福岡堅樹が左隅に逆転トライ。田村のコンバージョンキックも決まり、16-12と試合をひっくり返した。
逆転されたアイルランドは怒涛の攻めを見せた。
しかしジャパンのディフェンスは堅い。決してゴールラインを割らせず、23分のピンチはFL姫野和樹のジャッカル、ターンオーバーで遮断した。
そして後半32分、自陣から攻めて敵陣に入って得たPKの好機にSO田村がPGを決めて19-12とした。
ラスト5分、ジャパンのディフェンスは鉄壁だった。残り3分でWTB福岡がインターセプトし、敵陣深くに攻め込む。アイルランド陣ゴール前で得たスクラムは攻め切れなかったが、勝利はしっかり手にした。
割れんばかりの歓声に包まれたスタジアム。歴史的勝利を得たジャパンは、初のベスト8にグッと近づいた。