ラグビーワールドカップ2大会連続のベスト4以上を目指すアルゼンチン代表が、ノックアウトステージ進出へ望みをつないだ。強豪3チームが集い“死の組”と呼ばれるプールCの初戦でフランス代表に2点差で敗れ、いきなり土俵際まで追い込まれたが、9月28日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた2戦目でトンガ代表に28-12で勝利。4トライを挙げたためボーナスポイントも獲得し、1勝1敗で総勝点6となった。初戦で優勝候補のイングランドに屈していたトンガは2連敗(総勝点0)。
“ロス・プーマス”の愛称で知られる南米の雄は、快勝ムードから一転、ファイティングスピリッツあふれる南太平洋の勇者“イカレ・タヒ”を簡単に倒すことはできなかった。
準々決勝進出を目指すアルゼンチンは、勝利はもちろん、序盤から積極的にボーナスポイントを狙いに行った。前半6分、ポスト近くでペナルティを得たが、ショットを選択せずラインアウトに移動し、サインプレーが決まってHOフリアン・モントーヤがインゴール右に突っ込んだ。
16分にはラインアウトからモールで押し込み背番号2が連続トライ。
19分にはディフェンスでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、WTBサンティアゴ・カレーラスがゴールへ独走した。
そして25分、ゴール前でFWを使ってパワー攻撃し、HOモントーヤがハットトリック達成と同時にボーナスポイント獲得を決めた。28-0と点差が広がった。
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しかし、ここからトンガが意地を見せる。リスタートでボールを確保し連続攻撃でゴールに迫ると、FBテルサ・ヴェアイヌが左外を抜けて今大会のチームファーストトライを挙げた。
トンガは主将のCTBシアレ・ピウタウを筆頭に、果敢なタックルを連発。131本放ったタックルのうち124本が決まり、成功率は95%だった。トンガは前半終了前のラストアタックでもアルゼンチン陣内に激しく襲いかかり、場内を沸かせた。
28-7で迎えた後半、アルゼンチンは無得点。
一方、決してあきらめず最後まで勇敢だったトンガは、前半に続いてディフェンスで流れを引き寄せると、65分(後半25分)、ゴール前中央のスクラムから右を攻め、WTBクーパー・ヴナが切り込み、オフロードパスを受けたFBヴェアイヌがコーナーに飛び込みトライ。2万1917人で埋まった花園の観客席から大きな拍手が送られていた。
勝ったアルゼンチンは次週、運命がかかる大一番、10月5日に東京スタジアムでイングランドと対戦する。一方、2敗を喫しベスト8入りは厳しくなったトンガだが、プールC3位=次回大会自動出場権獲得のチャンスはまだ残っており、10月6日に熊本県民総合運動公園陸上競技場でフランスに挑む。