世界トップに肉迫する強国(現在ワールドランキング2位)には、まったく気の緩みがない。
9月28日に日本代表と戦うアイルランド代表は、試合会場の小笠山運動公園(通称:エコパ)で前日練習をおこない、記者会見を開いた。
出席したのはスクラムコーチ(以下、SC)のグレッグ・フィークとFLピーター・オマーニーとCTBガリー・リングローズ。それぞれの口から、「日本警戒」の言葉が漏れた。
NECグリーンロケッツで指導するフィークSCは、日本のことをよく知る。それだけに「日本には各チームに、スクラムを強くなりたいという情熱がある」と前置きして言った。
「日本代表は、低く、コンパクトに組むスクラムで、ここ数年強化が進んでいます。上半身の強化が強いと思う。うまくいくかどうかは別にして、それを攻略するプランはある」
ところどころに日本語を使い、その場の空気を和ませながらも準備の確かさを感じさせた。
FLオマーニーが「(明日は)ホスト国相手でスタンドは満員になるでしょう。そういう場所でプレーできるのは嬉しいですね。日本代表をリスペクトしています。ビッグゲームになる」と話したのに続き、CTBリングローズも、対戦相手の進化を警戒していると言った。
2017年に来日し、2つのテストマッチを戦った経験がある。
「日本のテンポのはやさについて警戒しています。フィジカルも強い。スペースを作り、うまくそこを攻めてくるし、キックも使う。(アイルランドが2試合とも完勝した)2年前とは違う。タフな試合になるでしょう」
好調なWTB松島幸太朗については、「コンタクト、フットワークなど、すべてを使って止める。チームとして動く」とした。
報道陣からは、「(世界的司令塔である)ジョナサン・セクストンが欠場することに不安はないか」との質問も出た。
これに対し、「ジョニーは影響力のある偉大な選手。しかし、明日SOで先発するジャック(カーティー)も、今年に入ってのほとんどの試合に出場してきた選手(シックスネーションズ3戦+夏のウォームアップ試合4戦+今W杯スコットランド戦)。常に一緒にいるということは、それだけチームにフィットしているということ」と話したのはフィークSC。リングローズも、「スコッド内で、いろんなコンビネーションに対応する準備は重ねてきた。ジャックが仕事をできるようにサポートする」と心配無用を強調した。
安定感抜群のグリーンのジャージーを、サクラのジャージーは慌てさせることができるか。そして、その先の勝利をつかめるか。
キックオフは16時15分だ。