9月26日、神戸市御崎公園球技場に27,194人の観衆を集めたイングランド対米国の一戦は、イングランドが45−7と、ボーナスポイント獲得の大勝を収めた。
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22日の札幌でのトンガ戦から中3日の日程で、神戸での米国戦を迎えたイングランド。スタメンを10人入れ替えたラインアップでこの試合に臨んだ。「休息が必要な選手もいれば、連戦で調子を保つタイプの選手もいる」、「この日程のリハーサルとして、昨年秋の日本代表戦の前には2日しか練習しなかった」、など、試合前から余裕のコメントを残していた、エディ・ジョーンズ監督。世界最大規模の競技人口だけでなく、プロ選手の数、ラグビー協会の予算規模と、世界最重量級の風格を漂わせた。
対する米国は、沖縄での準備合宿を経て、この日の初戦に標準を合わせてきた。スタメンには、イングランドのクラブに所属する選手を8人並べ、万全の体制で試合に臨んだ。特にプレミアリーグの名門、バースに所属する、AJ・マクギンディー(SO)には、試合前から、大きな注目が集まった。
序盤戦は、ハーフウェーラインを挟み、キック合戦となる展開。5分には、キックで米国陣に侵入したイングランドが、ラックからの速攻で乱れたディフェンスラインの穴を、ジョージ・フォード(SO)が走り抜けてトライを奪う。
イングランドはその後、再三に渡り米国陣深く攻め入るが、決死のディフェンスに阻まれ、なかなかゴールラインを超えることができない。米国は、マルセル・ブラーシェ(CTB)、ジョー・タウフェテエ(HO)を始めとし、攻守共に激しいコンタクトでイングランドに真っ向から挑む。
しかしながら自力で勝るイングランドは、24分、32分とドライビングモールからそれぞれ、ジョー・ローンチベリー(LO)、ルーク・カーワンディッキー(HO)がトライを決め、前半を19−0で折り返す。
後半に入っても試合はイングランドが支配し続け、スピードに乗った力強い縦への走りと、厚いサポートへと繋ぐオフロードパスで、米国ディフェンスを疲弊させる。近場での肉弾戦では決して引けを取らない米国だが、接近、展開、キックと、多様な攻撃オプションに振り回され続け、自ずとディフェンスに綻びが生じる。
イングランドは、47分と74分にジョー・コカナシガ(WTB)、58分にルーリー・マコノキー(WTB)、66分にはルイス・ラドラム(FL)、がトライを決め、試合を一方的なものとする。更に米国は、68分にジョー・キル(FL)が途中出場のオーウェン・ファレル(CTB)の顔面へ、ノーバインドのショルダーチャージを食らわせ、一発退場となる。危険なタックルへの判定については、その判定の一貫性について大きな議論が起こっており、今日のキルの退場処分については、更なる議論が巻き起こるだろう。
試合は終盤に入り、両軍ともにハンドリングエラーが相次ぐルースな展開となり、ロスタイムに入りながらもプレー継続を選択したイングランドは、米国へターンオーバーを許し、ブライス・カンパベル(CTB)のトライで試合終了となった。
初戦のサモア戦に続き、ボーナスポイント獲得の勝利となったイングランドだが、特に終盤にミスが相次ぎ、反省内容もそれなりに挙げられる試合となった。闘将、エディー・ジョーンズ代表に率いられたイングランド代表は、次戦、10月5日に東京スタジアムで、アルゼンチンと対戦する。