ラグビーリパブリック

ウェールズ代表ノース、トライ支える「準備」を語る。

2019.09.25

ジョージアのディフェンダーを振り切ろうとするウェールズのジョージ・ノース(Photo: Getty Images)


 ラグビーウェールズ代表のジョージ・ノースは、身長192センチ、体重110キロの27歳。人のいない所へボールを運べるうえ、人のいない所でボールをもらえるWTBだ。

 9月23日、愛知・豊田スタジアム。ワールドカップ日本大会のプールD初戦で、ジョージア代表に43-14で勝利。前半にラインアウトからの1次攻撃での連係プレーなどでスコアを重ね、後半は粘る相手を前にミスを犯すも要所を締めた。エース格のノースも、高質なパフォーマンスで得点を生み出す。

 後半24分。グラウンド中盤右タッチライン際でボールを持つと、迫りくるタックラーに間合いを詰められたところで左斜め前方に柔らかいキックを転がす。インゴール周辺でバウンドが落ち着き、弾道を追っていたSHのトムス・ウィリアムズがフィニッシュした。

「あれは皆の努力のたまものです。強いラインができていたので。プレシーズンの努力が実った」

 自らトライラインを割ったのは、続く35分。敵陣深い位置で防御を破る味方に並走し、そこにいたタックラーの死角へ駆け込みながらパスをもらう。最後は持ち前のステップワークで追手を振り切り、インゴールでグラウンディングした。

 どうして、相手のいないところでボールをもらえるのだろう。そんな根源的な問いに、ジョージア戦後のノースは「準備です」と応じた。

「宿題のようなものはたくさんしている。きょうもジョージアに関してかなりリサーチもしてきました」

 事前に相手の各選手やシステムについて学ぶことで、自身がトライを取れそうな状況を想定。現場でそれを表現する。トライへの嗅覚の根っこには、インテリジェンスがある。

「(ジョージア戦は)初戦だったので難しいところもありましたが、長いプレシーズンを経て、きょう、ボーナスポイント(4トライ以上奪取による勝ち点)を取れた。あとは次のオーストラリア戦のことだけを考えています。オーストラリアはフィジカル、スキルも優れている。最初の1分目からベストを尽くさなきゃいけない」

 子どもたちへのアドバイスを求められれば「基本をしっかりやること。あとは楽しんでプレーして欲しい」と話すノース。以後は29日のプールD2戦目に集中する。東京スタジアムで、自国と同じティア1のオーストラリアとぶつかる。

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