自国初開催のラグビーワールドカップで、やはり大きなプレッシャーがのしかかっていたか、日本代表は開幕戦で苦しんだ。
9月20日に東京スタジアムで、格下と見られていたロシア代表と対戦し、30－10で辛勝。ミスを連発し、反省点も多い船出となったが、それでも厳しい荒波を乗り越えて、悲願のベスト8入りへ突き進む。
前回大会は3勝しながらボーナスポイントの差で涙をのんだが、ロシア戦ではWTB松島幸太朗のハットトリックを含め4トライを挙げたため、1試合4トライ以上したチームに与えられるボーナスポイント1点を加え、フルポイントの勝ち点5を獲得した（勝利＝4点、引き分け＝2点、負け＝0点／ボーナスポイント：4トライ以上＝1点、7点差以内の負け＝1点）。
観客数45,745人で満員となった東京スタジアムは大歓声と悲鳴がこだました。
日本はキックオフボール確保に失敗。いきなり自陣深くでピンチとなり、直後の相手の攻撃には耐えたものの、明らかに浮足立っていた。
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先制はロシアだった。前半4分、ロシアが高く蹴り上げたボールを日本のFBウィリアム・トゥポウが落球。それを拾ったWTBキリル・ゴロスニツキーがゴールに持ち込んだ。
ロシアのプレッシャーを受け続けた日本。11分にCTBラファエレ ティモシーのオフロードパスからチャンスを広げ、WTB松島がトライを奪い返したが、その後もキックオフなどでミスが続き、ジャパンの15番、トゥポウはハイボールにあわてた。
その後もロシアに攻め込まれるシーンがあったが、なんとか辛抱した日本。
34分にゴール右隅に飛び込んだ松島のプレーは、TMO（テレビジョン・マッチ・オフィシャル）でグラウンディング寸前に落球していたことが確認されノートライとなったが、38分、CTB中村亮土からオフロードパスを受けた松島が右外を抜け、ゴール中央に持ち込み逆転。SO田村優のコンバージョンキックも決まり、12－7で折り返した。
日本は後半早々にPGで加点し、46分（後半6分）にはFLピーター“ラピース”・ラブスカフニがタックル後にボールを奪い返してそのまま自陣から50メートル以上走り切り、スタジアムは大歓声に包まれた。
ワールドカップ初勝利、そしてトーキョーで番狂わせを狙ったロシアは果敢だったが、日本は辛抱強く守り、63分にPGでリードを拡大。そして68分、疲れが見え始めたロシアFBワシリー・アルテミエフの苦しまぎれのミスキックから日本はカウンターアタックを仕掛け、松島が防御網を切り裂き、ハットトリックでボーナスポイント獲得を決めた。
プールAは、日本（9月20日時点の世界ランキング10位）とロシア（同20位）のほか、アイルランド（同1位）、スコットランド（同7位）、サモア（同16位）。この5チームが総当たりし、上位2チームが準々決勝に進む。
日本は次戦、9月28日に静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアムでアイルランドと対戦する。