ジャイアントキリングを狙っている。2019年9月20日、ラグビーワールドカップ日本大会開幕。4年前にイングランドのブライトンでスポーツ史上最大級の番狂わせが起きたと話題になったが、今度は「トーキョー・ミラクル」があるかもしれない。
敗者復活的なかたちで8年ぶり2度目のワールドカップ出場権を獲得したロシア代表が、開催国の日本代表にチャレンジする。
試合登録メンバーに名を連ねたバックローのアントン・シチエフは、「日本代表をずっと分析してきた。弱点を見つけている。1年間の準備を経て、戦う用意はできた。開幕戦に集中しており、次の試合のことは考えていない」と言った。今回のワールドカップの目標を訊かれ、「日本戦の勝利が第一目標だ」と意気込む。
世界ランキング10位でベスト8以上を狙う日本に対し、同20位のロシアはワールドカップで一度も勝ったことがない。初出場だった2011年大会は精いっぱい戦ったが、4戦全敗。あるスポーツブックメーカーは、今大会開幕戦で日本の勝利に1.002倍、ロシア勝利に34倍のオッズをつけた。
しかし、日本代表キャプテンのリーチ マイケルは軽視していない。
「ロシアを非常にリスペクトしている。フィジカルにすごく自信があるし、強いバックスも多く、セットプレーも強い。フィジカルで負けてはいけないが、それよりメンタルの部分。相手はこの試合に100%をかけてベストの状態でやってくる。ずっと前から言っているが、4試合のなかで一番きつい試合になる」
両チームは過去6回対決し、日本の5勝1敗。ロシアは2003年5月に東京・秩父宮ラグビー場で勝ったことがある。昨年11月にイングランドのグロスターでテストマッチをおこなったときは、日本は苦しめられ32-27の辛勝だった。
ロシアも、日本の強さを認めている。
開幕戦は完全アウェイのなか戦うことになり、「我々はかなりプレッシャーを受けるだろう」とリン・ジョーンズ ヘッドコーチは言う。「ゲームは肉弾戦、かつ速い展開になると予想している。日本はスピードを生かそうとするので、我々にとっては集中力が鍵だ。ゲーム中はとにかく集中力を切らさないこと。アウェイのプレッシャーに負けず、試合後のことなど気にしないでいく」
2011年大会経験者で、ベンチ入りするHOのエフゲニー・マトベエフは大一番を前にこう語った。
「ベストを尽くす。ロシアがラグビーを愛し、美しいラグビーを展開できることを示したい」
誇り高き勇者たちによる、世界最高峰の戦いが始まる。
ラグビーワールドカップ2019日本大会開幕戦、日本代表×ロシア代表、東京スタジアムで19時45分キックオフ。
<RWC2019 (プールA: vs 日本) ロシア代表 試合登録メンバー>
1.ワレリー・モロゾフ 2.スタニスラフ・セルスキー 3.キリル・ゴトフツェフ 4.アンドレイ・オストリコフ 5.ボグダン・フェドトコ 6.ビタリー・ジワトフ 7.タギル・ガジエフ 8.ニキータ・ワビリン 9.ワシリー・ドロフェエフ 10.ユーリー・クシュナレフ 11.キリル・ゴロスニツキー 12.ドミトリー・ゲラシモフ 13.ウラジーミル・オストロウシコ 14.ゲルマン・ダヴィドフ 15.ワシリー・アルテミエフ
〔リザーブ〕
16.エフゲニー・マトベエフ 17.アンドレイ・ポリワロフ 18.アザマト・ビチエフ 19.アンドレイ・ガルブゾフ 20.アントン・シチエフ 21.ドミトリー・ペロフ 22.ラミリ・ガイシン 23.ウラジスラフ・ソゾノフ