ラグビーリパブリック

W杯開幕まで秒読み 日本は「リマインド」キーワードに成長中

2019.09.16

公式会見に出席した日本代表のリーチ マイケル主将(撮影:森本優子)

 9月16日、日本代表のアライバル・プレスカンファレンスが宿泊先のホテルで開かれた。海外のメディアも多数出席しての公式会見は、開幕が秒読みになったことを表している。

 最初に会見したジェイミー・ジョセフHCは、目標を従来のベスト8とし、今年は過去にない準備の長さをとれたことあげ、自信を見せた。
 チームは複数のリーダーを置き、彼らを中心にチームを運営しているが、ジョセフHCは、9月6日の南アフリカ戦では試合の最中にその「シェア・リーダーシップ」に綻びが出たことを明かした。
「大会前にそれが分かってよかった」

 リーチ マイケル主将がより詳しく言葉にしてくれた。
「ビッグマッチでは、みんなハードワークするけれど、集中しすぎて周りのことが見えない。南ア戦はすべて優(田村)の判断でチームが動いた。ボールが前に出ていないのに、優が全部判断して、ひとりで試合しないといけなかった。一人ひとりグループごとに自分の判断をすれば、ボールが前に出てる状態でプレーできる」

 具体的な反省点としてキック処理をあげた。南ア戦はいわば全員が「てんぱった」状態。さまざまな情報を司令塔に伝えなくてはならないのにそれができず、田村だけの情報で判断しなくてはならなかった。具体的には前半22分、コンテストキックをFBウィリー・ルルーにキャッチされ、2つ目のトライを許した状況が浮かぶ。試合後、田村は「(あのキックは)逆側に蹴ってもよかった」と振り返っていた。迷っての選択だったのだろう。

 今週は、その反省を踏まえた練習をおこなっているようだ。キーワードは「リマインド」。会見に出席した德永祥尭はこの日の練習を振り返る。
「ゾーン(地域)によっては自分の前しか見れてなかったりするんですが、そういうときはリーチさんが一度練習を止めて、円陣を組んで“コネクトしよう”と。リマインドというのは、“もっと賢くやろうよ”という意味だと思います」
 德永は「目の前のことに全力で取り組むのは、このチームのいいところでもある」と言う。
 南ア戦で貴重な教訓を得て、チームは今も成長を続けている。

德永祥尭(左)とヴィンピー・ファンデルヴァルト(撮影:森本優子)
Exit mobile version