ラグビーリパブリック

長崎の人の応援も力に。スコットランドのマキナリー主将、充実の焼けた顔で「興奮してきた」

2019.09.16

スコットランド代表。グラバー園で長崎の海と山をバックに(写真提供:RWC2019組織委員会)

 晩夏の長崎、照りつける太陽からたっぷりエナジーを得たのだろう、スチュアート・マキナリーの顔は赤く焼けていた。充実したキャンプを送っているという。爽やかな笑顔だった。ラグビーワールドカップ2019日本大会でスコットランド代表のキャプテンを務める、29歳の好漢である。

 9月15日、事前キャンプをおこなっている長崎市のグラバー園でスコットランド代表のウェルカムセレモニーが開催された。

「長崎の人々が非常に親切で、我々は心を打たれました。おもてなしがすばらしく、とても楽しんでいます。セレモニーは非常に特別なものでした。美しいセットのなかで、和太鼓の音色も楽しむことができ、すばらしいセレモニーだったと思います」

歓迎セレモニーで、長崎市の田上富久市長とスコットランドのマキナリー主将(写真提供:RWC2019組織委員会)
長崎のラグビー少年らと交流するスコットランド代表の選手たち(写真提供:RWC2019組織委員会)

 スコットランドのスカート状の伝統衣装、「キルト」姿で現れた選手たちは、来場を待っていたファンにサインやハイタッチをし、交流を楽しんだ。
 長崎市はスコットランドのアバディーン市と友好関係があり、スコットランド特有のチェック柄をアレンジした「長崎タータン」というものがある。深緑の生地に、市の花であるアジサイをイメージする紫の線をあしらった長崎タータンは、今回、スコットランド代表が着るキルトやジャージーにも用いられており、マキナリー主将は「長崎の人々からの温かい応援を身近に感じ、とても力強く、誇りに思っています」と語った。

 セレモニーでは記念のキャップが贈られた。
 マキナリーは2015年大会もワールドカップスコッドに名を連ねていたが、首の負傷で開幕直前に離脱を余儀なくされたため、今回が初めてのワールドカップ参加となる。
 記者からキャップが似合ってますねといわれ、嬉しそうだった。
「今日、キャップをいただいてかぶったことで、とてもすばらしい、スペシャルな気分になりました。ワールドカップに臨む気持ちを新たにし、いよいよだなと、リアルな感情を抱いています」

 ワールドカップでは日本と同じプールAに入る。世界ランキング1位のアイルランドもおり、サモア、ロシアも楽な相手ではない。このなかで準々決勝に進めるのは2チームのみ。
「すべて、とてもタフな試合になると思います」と気を引き締めるマキナリー主将。9月22日に横浜で迎える初戦でいきなりアイルランドとぶつかり、8日後は、まだ厳しい残暑が予想されるなかサモアと対戦することになるが、すべて想定してきた。
「厳しい気候のなかで、非常にタフな戦いになると思います。我々は過去2か月間、ポルトガルの暑い環境のなかでハードワークをしてきました。日本の暑い気候にも対応できるようなトレーニングをし、長い間、準備してきました。もうすぐワールドカップを迎える。非常に興奮し、楽しみにしています」

 キャプテン同様、グレガー・タウンゼント ヘッドコーチも自信に満ちていた。来日前のテストマッチで6人が負傷したが、そのうちの5人はフルにトレーニングを再開しており、指揮官を安心させた。
「選手たちはこれまでのキャリアのなかでも最高のコンディションだと思います」

 スコットランド代表の特徴を訊かれ、全員がハードワーカーだと答えたヘッドコーチ。
「それに、努力を惜しまない。スピードのあるプレーをするし、力強い。クリエイティブな選手もおり、ディフェンス力も強いと思います」
 セットプレーも大きなカギとなるが、来日前、スクラムの強さは世界トップレベルといわれるフランス代表、ジョージア代表とテストマッチを計4試合おこない、手ごたえを感じたという。
 過去のワールドカップでスコットランドの最高成績は1991年大会の4位。歴史を塗り替えられるか。タウンゼント ヘッドコーチが発した言葉には力があった。
「ベストを尽くせるように努力します」
 日本代表とは10月13日のプール最終戦で激突する。

記者の取材に応えるタウンゼント ヘッドコーチ(写真提供:RWC2019組織委員会)
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