「エネルギー、もらいました!」
会場からすぐ近くの検見川高校ラグビー部の山下達也さんは、選手たちのサインをバッグいっぱいにもらって感無量の面持ちだ。
9月20日に開幕を迎えるワールドカップに向け、出場20か国が次々と来日し、ウェルカムセレモニーなどの行事に各地で参加している。13日お昼には、アイルランドが千葉県の地元市民に迎えられた。会場は千葉市美浜文化ホール。
司令塔のジョナサン・セクストン、相棒SHのコナー・マレーにFBロブ・カーニー、そして主将のHOローリー・ベスト。
ワールカップ・ラッピングの大型バス2台から選手たちが降り立つと、待ちかねていた地元市民、高校・大学生ら約100人から歓声が上がった。
時点、世界ランキング1位のチームは、花道を作って迎えた人々の歓迎に、一人ひとり丁寧に挨拶をした。先頭はベスト主将。チームは1列に並んで会場入りしたため、後続の選手たちも皆、足を止めて、サインや記念撮影に応じた。関係者のはからいもあり、当初「通り過ぎるだけ」だった予定の入場は、10分間以上もかかったが、その場の誰もが笑顔になった。
あっという間にアイルランド・ファンになった千葉の皆さん。選手たちがすっかり館内に収まっても、サインを見せ合うなど余韻に浸った。
冒頭の検見川高校の山下さんは、「まさか、みんなサインしてくれるとは思わなかった」と感激。サインでいっぱいになったエナメルバッグを抱えて幸せそうだ。翌日14日は、千葉県のプール戦に臨むという。
「9月6日は、家の最寄駅の前で、南ア戦のパブリック・ビューイングもありました。日本には、細かいパス回しで、外を抜くラグビー、持ち味がでる戦いをしてほしい」
各地では連日、出場国選手たちが参加して歓迎イベント、関連イベントが無数に行われている。ちなみに13日には、千葉と同様の大会公式メニューだけでも11のイベントが開かれた。
出場国を迎え、見る側、支える側のテンションも全国でぎゅっと、上がっている。いよいよ世界一決定戦が始まる。
*アイルランドの歓迎セレモニーでは……アイルランドの公認キャンプ地・市原市の小出譲治市長が挨拶。「アジア初の大会、忘れられない一瞬を届けてほしい」と選手に呼びかけた。チームには、県の伝統工芸品・上総角凧(かずさかくだこ)が贈られ、選手とともにだるまの目入れを行った。