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不屈の立川理道がNZでラストゲームへ オタゴの12番で最後のアピール

2019.09.14

短期契約でオタゴに加入し、NZのマイター10カップでプレーしてきた立川理道(Photo: Getty Images)

「ワールドカップに向けて、いつ呼ばれてもいいように、最後まであきらめずに準備したいと思います」

 そう言ってニュージーランドへ旅立った日本代表55キャップ保持者の立川理道(クボタスピアーズ)が、同国内大会のマイター10カップでラストゲームに臨む。加入したオタゴとの契約は、8月中旬から1か月間の短期と決まっていた。9月20日に開幕するワールドカップの日本代表スコッドには入っていない立川だが、日本の国内リーグがオフの間、レベルの高いラグビー王国でプレー感覚を維持し、いつジャパンから追加招集があってもいいようにと、チャレンジを続けてきた。

 8月22日のホークスベイ戦で後半途中から出場し、オタゴデビュー。8月30日のマナワツ戦も、9月8日のタラナキ戦もベンチスタートだったが、9月15日に敵地のウエストパック・スタジアムでおこなわれるウェリントン戦では背番号12で初先発のチャンスをもらった。

 ニュージーランドでの最終戦前日、立川がオタゴでの日々を振り返ってくれた。これまで経験したラグビーの環境とどう違ったのだろうか。

「ラグビー自体に大きな違いはないですが、ベテラン、若手の関係性は日本と違うと思いました。年齢に関係なくお互いをサポートしている関係性にすごく感銘を受けました。あとは若手選手のハングリー精神も印象的でした。とにかく積極的な姿勢で取り組むことで周りからの信頼を勝ち取るのかなと思います。僕の英語は完璧ではなかったですが、積極的に聞きに行けば教えてくれます。ただ、わかったフリやわからないままにしておくと、後で、なぜ聞かなかったのかと怒られる」

 短期のオタゴ滞在だったが、立川は確かに得たものはあったという。

「日本代表やクボタと違った戦術などでプレーすることで、プレーの幅が広がったと思います。また、新しい選手、研修に来たコーチ、家族、スポンサーやファンなどに対してすごく温かく迎え入れる文化がありました。ニュージーランドのラグビー文化であり、日本でも実践したいと思いました」

 帰国前、最後の試合でも何かを吸収したい。そして、精いっぱいのアピールも心に誓う。
 対するウェリントンの12番は、元オールブラックス主将タナ・ウマンガの甥(おい)で、U20ニュージーランド代表を経験している若手有望株のピーター・ウマンガ=ジャンセンだ。ほかにも、アウトサイドCTBのヴィンス・アソ、WTBのベン・ラム、ウェス・フーセンなど、ハリケーンズ(スーパーラグビー)でもレギュラーの強者たちが相手となる。
 立川の奮闘を期待したい。

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