ラグビーユニオンの国際統括団体であるワールドラグビーは9月13日、2019年の殿堂入りメンバー6人を発表し、日本ラグビーフットボール協会の元会長である金野滋氏が選出されたことが明らかになった。
ワールドラグビー殿堂は、キャリアを通じてラグビーに顕著な貢献を果たすとともに、品位、情熱、連帯、規律、尊敬の念といったラグビーを特徴付ける価値基準の形成のために模範となった人物を顕彰している。
金野氏は同志社大学出身で、ラグビーでのポジションはロックだった。1952年にオックスフォード大学が初来日した際はリエゾンオフィサーとして活躍。その後、アジアラグビーフットボール協会の事務局長、専務理事などを務め、1985年にはラグビーをアジアに広めたことや日英関係の発展に尽くした功績に対し、英国エリザベス女王からOBE(大英帝国勲章)を授与された。また、1987年の第1回ラグビーワールドカップと91年の第2回大会で日本代表チームの団長となり、IRB(現 ワールドラグビー)常任理事、日本ラグビー協会会長など数多くの要職を歴任した。2007年4月1日逝去(享年84歳)。
日本人のラグビー殿堂入りは、2012年の坂田好弘氏、2016年の大畑大介氏に次いで3人目となる。
日本ラグビー協会の現会長である森重隆氏は、「金野滋元会長が、この度、栄誉あるラグビー殿堂入りをされることに対し、日本ラグビーフットボール協会として心よりお慶び申し上げます。金野元会長は、溢れるばかりのバイタリティと堪能な英語力で、海外のラグビー関係者とも堂々と渡り合いながら今日の日本ラグビーの隆盛へと導いてくださいました。お亡くなりになってからの殿堂入りですが、そのご功績にラグビー界全体で感謝したいと思います。まもなく開幕するラグビーワールドカップ2019日本大会の成功で、その感謝の気持ちを届けられれば、と願っております」とコメントした。
金野氏のほかには、テストマッチで世界最多の148キャップを重ねニュージーランド代表の主将として2011年と2015年のワールドカップ連覇を果たしたリッチー・マコウ氏、南アフリカ代表プロップとして1995年と2007年のワールドカップ優勝に大きく貢献したオス・デュラント氏、サモアの名プロップで1991年の初出場ワールドカップでは主将を務め準々決勝に導いたピーター・ファティアロファ氏(2013年11月に54歳で逝去)、世界的名将のひとりでニュージーランド代表指揮官として臨んだ2011年のワールドカップで24年ぶりの優勝という重責を果たしたグラハム・ヘンリー氏、そして、1979年から99年まで20年間も国際舞台で活躍しウルグアイ史上最高のラグビー選手といわれたディエゴ・オルマエチェア氏が、新たにワールドラグビー殿堂入りとなった。
World Rugby Hall of Fame 2019 inductees;
— World Rugby (@WorldRugby) September 13, 2019
No.143 – Richie McCaw (New Zealand)
No.144 – Shiggy Konno (Japan)
No.145 – Os du Randt (South Africa) pic.twitter.com/uOGE0Bg1RZ