第3回となる、世界の10カ国軍ラグビー部が戦う「国際防衛ラグビー競技会2019(以下IDRC)」が、9月9日から23日まで自衛隊施設(陸上自衛隊朝霞駐屯地、同習志野演習場)や柏の葉公園総合競技場で開催される。この大会はワールドカップに合わせ開催国でおこなわれている。
韓国から韓国軍体育部隊(尚武)が初参加。日韓関係が政治・外交・経済分野で冷え込む中の来日だ。2015年に流通経済大と尚武がラグビーを手始めに「スポーツ協力協定」を結びお互いを訪問していることも後押しになっている。
今回、尚武を率いる金國成(キム・グックソン)コーチに話を聞いた。金コーチは流経大にコーチ留学後、尚武を指導する。
―日韓関係は冷え込んでいる中の大会になりました。
「日本に行き大会参加することに何も問題はありません」
―大会前にアジアセブンズシリーズで徐天吾(ソ・チョンオ)尚武監督に話を伺おうとしましたが、金コーチに任せているということでした。
「徐監督は7人制韓国代表監督を兼務しているので、そちらに専念しています」
―尚武は、どのような戦い方をしますか?
「参加する国はフィジカルが強く体も大きいです。尚武は、スピードやキレをいかしたラグビーで対抗したいと思います」
―初戦(2回戦、9月11日)の相手は前回大会優勝のフィジーですね。
「フィジーは国の代表選手も送り込んできた歴史がある。強敵です。チームワークが良い尚武のラグビーを見せたい」
―現在、どのようなプレーを強化していますか?
「8月にあった韓国Kリーグ(社会人)で出た課題、セットピースの精度をあげています」
―中心選手は?
「アジアチャンピオンシップ韓国代表です。李ギュソン(PR/HO)、LO金デファンらフォワード。バックスはSOハン・グミン、金ジンヒョク(CTB)」
―尚武の練習環境は?
「今年、選手の数が25名と今までより2名増えました。一方で兵役期間が18カ月間(従来は21カ月間)と短くなり、選手(2年目と1年目)たちが交わって練習する時間も少なくなったことが悩みです」
尚武は、大学を卒業した韓国代表レベルの選手たちが兵役期間を競技種目の練習を中心に送る部隊だ。現在はラグビーはじめ野球、サッカーなど21種目がある。
今回、部隊NO2の朴サンギョ陸軍大佐も同行する。楕円球が両国防衛関係者の間を取り持つこともあれば嬉しい。
IDRC、1回目のニュージーランド・オーストラリア大会は英国チームが優勝した。日本の自衛隊は前回、英国大会に初参加(予選プール敗退)。
日韓戦が実現するとすれば、両国が勝ち進んだ場合は決勝や3位決定戦。初戦敗退時は19日、親善試合で可能性がある。