アジアラグビーセブンズシリーズ2019(男子・女子)の第1戦が8月31日から韓国・仁川市の仁川南洞アジアードラグビー場で始まった。
男女とも8カ国・地域が参加し、アジアの覇権を争う。日本を除くチームは2020東京オリンピックのアジア最終予選を控える(男子:今年11月23~24日、韓国・仁川市/女子:11月9日、中国・光州市)。それだけに日本にも勝利し勢いをつけたいシリーズだ。
■日本男子 初戦を修正し連勝
日本男子はプールAで、スリランカ、中国、UAEと同じ組だ。
初日の初戦はUAEと対戦。しかし、出だしでつまずいた。日本のキックオフ、グラウンド中央でこぼれたボールをUAEに奪われ先制トライを許した。「嫌な雰囲気だった」(岩渕健輔ヘッドコーチ)。しばらくこの雰囲気が続いた。日本は前半4分、相手ラインアウトをスチールし、トゥリキ ロテがトライを返したと思われたが、トライセーブにあう。攻め続け、ようやくトライを奪い返すと、6分には林大成がリスタートからつなぎ仕留めた。12-7と逆転。前半さらに1トライを加えると、後半は2トライを奪い、29-7で退けた。
「(雰囲気に)引き込まれなかったことが良かった」と岩渕ヘッドコーチ。
日本は初戦を終えるとすぐに映像を見なおした。「緊張感があったのは確か。オフロードパスなど修正点を確認した」(副島亀里ララボウ ラティアナラ主将)。
結果、2戦目もスリランカから開始1分でトライを奪うと、藤田慶和がファイブポインターで続くなど7トライを挙げ、43-5で勝利。カップトーナメント進出を決めた。
2日目はプール最終戦で連勝の中国と1位通過を争う。
笑顔を取り戻した岩渕ヘッドコーチは、2日目について「選手にいろいろなポジションも経験させながら戦いたい」と話した。副島は「ゴールは優勝」と胸を張った。
男子のプールBは香港、韓国、チャイニーズ・タイペイ、フィリピンが競う。東京オリンピック予選でも上位争いが予想される香港と韓国がともに連勝し、最終戦で対戦する。
韓国の徐天吾(ソ・チョンオ)監督は香港について「先月、ソウルでラグビー・フェスティバルを開催した時に韓国電力の単独チームが香港に勝ちました。韓電の選手もいるので今回はアドバンテージになる」と期待する。韓国は選手を試しながらオリンピック切符をめざず。
■日本女子 危なげなき勝利
日本女子はプールCで香港、スリランカ、マレーシアと争う。
第1戦ではマレーシアと対戦し、まずは開始30秒でバティヴァカロロ ライチェル海遥がトライを奪うと、つなぐラグビーで前後半計8トライ。50-0で圧勝した。
次の香港戦では先制トライを許したが、こちらもバティヴァカロロがトライを返した。終了前には香港ラインアウトをスチールしゴール前へ。香港が反則をすると主将の中村知春が自らクイックタップからインゴールへ運んだ。後半にも同じ形で中村がトライするなど、36-5で連勝。日本女子も2日目のカップトーナメント進出を確保した。
前監督の浅見敬子氏は「世界と違うアジアのプレッシャーの中で勝利してくれた。香川 メレ優愛ハヴィリなど今回、初めてアジアで戦う選手もいい経験を積んでいる」と評価した。
プールCは香港とスリランカが1勝1敗で追いかける。
プールDは、アジアのライバル中国がシンガポールを61-0と圧倒、カザフスタンとは19-15で接戦を制し連勝した。