8月26日、ラグビーワールドカップ2019組織委員会(以下 組織委員会)が、今年度第2回目の理事会に伴い会見を行った。会見には嶋津昭 事務総長が参席し、理事会で報告された要点二つについて明らかにした。
発表概要は次の通り。
●チケット販売状況について
・販売可能枚数182万枚、販売済み枚数は164万枚(進捗率90.5%)
・8月10日から第4次一般販売を開始。開始から16日間で約18万枚を販売した
・全試合満員を目指し大会終了までチケット販売を継続。ただし、郵送不着リスクを避けるため、今後は電子チケットのみ販売
●大会予算(案)について
・組織委員会では、チケット売れ行きが良い状況を踏まえて大会予算案を見直した
・3月時の予算:563.5億円だったのに対し、今回8月の予算案は630億円(1割強の増大)
・予算案は、今後ラグビーワールドカップ・リミテッドの承認を受けて取りまとめられる
前回=2019年3月の予算が563億円あまりだったのに対し、今回8月の予算は630億円。1割ほど予算が膨らんだ。収入の増大にともなって支出も増大し、大会規模が1割ほど大きくなったとも言える。
収入増66億5千万の大部分はチケット収入で、60億円の増加。チケット収入の総額は350億円となった。その他、観客の飲食、関係者駐車券販売による収入が約5億4千万円増加(従来はゼロ)、民間からの寄付が約1億円増加(従来は55億5千万円)した。
支出の増加項目は多岐にわたる。今回の増収入以外にも予備費をあてるなどして、災害時などの対応に約41億円、試合会場の環境向上や装飾などに約39億円などが追加で投下される。
嶋津事務総長は支出項目について
「より多くのお客様を迎えるにあたって、必要となる設備を整える、よりよい環境で観戦をしてもらうという趣旨。万が一の場合の備えを(具体化)する面もある」と説明した。チケット売り上げの増加ぶんを、日本ラグビーの財産として貯蓄する考えはないか、そこには大会主催者側の圧力もあるのでは? との質問に対しては、まずはこの大会を充実させるのが第一だと応えた。
災害時などの対応には、決勝トーナメントが台風などで行えなくなった場合の、バックアップ会場の確保も含まれている。準々決勝以降の試合が行われる会場は、大分、東京、横浜の3ベニュー。代替会場として1、2か所程度を押さえるものと思われるが、会場は未発表。なお、プール戦が災害などで行えなくなった場合は延期はせず「中止」で、引き分け扱いとなる。