ラグビーリパブリック

防衛のワールドカップは9日キックオフ!

2019.08.27
日本(自衛隊)のジャージーは、赤。歌舞伎の隈取りをイメージしたもの(青はセカンド/撮影:防衛省)

日本(自衛隊)のジャージーは、赤。歌舞伎の隈取りをイメージしたもの(青はセカンド/撮影:防衛省)

「選手たちは、国を代表する気持ちでこの大会に臨みます。きっと熱い戦いになります」

 大会事務局の若松忠司さん(三等陸佐)は、昨年夏からこの大会の準備にかかり、今回の2019日本チームの強化は第1回合宿から見つめてきた。9月15日の初戦の相手は、フランスか、パプアニューギニアか。ワールドカップの開催に先立って開幕する世界大会を、期待と緊張を抱え迎えようとしている。

 国際防衛ラグビー競技会(以下IDRC:International Defence Rugby Competition)は9月9日に開幕。各国軍で最強のラグビーチームを決める世界大会で、ラグビーワールドカップ(RWC)にあわせて開催され、今回で3回目を迎える。

●国際防衛ラグビー競技会(IDRC)
期間: 2019年9月9日(月)から同年9月23日(月)
会場: 柏の葉公園総合競技場、陸上自衛隊朝霞駐屯地、陸上自衛隊習志野演習場
参加国: 日本、英国、オーストラリア、韓国、ジョージア、トンガ、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジー、フランス
選手等参加人数:約400名
競技方法: 10チームよるトーナメント

*第1回(2011):オーストラリア&NZ共催(優勝:英国陸軍チーム)
*第2回(2015):英国開催(優勝:フィジー共和国軍チーム)


フランスは前回大会の3位チーム。韓国も参加を決めている。NZ、フィジー、トンガはウォークライで士気を高める

 第2回競技会は10か国・12チームが参加し、自衛隊も最精鋭を集めたチームで初参加。予選リーグで敗退したものの、ジョージアとの親善試合では劇的逆転勝利を挙げ大会を締めた。

 今回のチームは、日本開催とあって強化にも腰が入っている。ヘッドコーチは松尾勝博氏(元日本代表)、FWコーチを東考三氏(元NEC、元自衛官)が務め、昨年10月からすでに実質6回の合宿を積んできた。当初83選手あったスコッドは、7月28日の合宿を終えて最終メンバー34名(FW19名、BK15名)にまで絞られた。

 チームとして極めるのは、スピードとスタミナ、そしてプレーの低さだ。前回の参加で痛感させられた世界のサイズ、パワーに対してこの3つの強みで立ち向かう。後半のしんどい時間帯にも崩れない規律の高さで、相手の反則を引き出すプランも実現させたい。

7月にはヤマハ発動機と合同練習を敢行!(撮影:防衛省)

 注目選手は、FL堀口裕二キャプテンだ。

 自衛隊では、「全自衛隊大会」で国内600名の自衛官ラグビーマンが各チームの誇りをかけて戦う。昭和31年(1956年)以来の歴史を持つ大会で2強とされるのが、伝統チームでもある船岡自衛隊、習志野自衛隊だ。この2チーム以外の選手は34名中4名のみだが、フランカー堀口は、海上自衛隊下総から選出され、キャプテンになった。推薦者は、松尾HCだった。

「目指すラグビーを体現している。彼のメンタリティーはチームの鑑になる」(松尾HC)

 身長175センチ。献身的なタックルなど、体を張ったプレーが認められている。
 
 堀口主将(29歳)は國學院久我山、日大でプレーし、高校時代に花園出場。LO津留崎幸彦(30歳)は天理高で花園、天理大で大学選手権出場とトップレベルを経験してきた。チームには野球出身のパワフルなPR對馬瑛教など、社会人になってラグビーを始めた逸材も8人いる。

 自衛隊ラグビーマン600人のオールスターチームが組まれるのは、この4年に一度の大会以外に機会はないという。防衛省がこれだけの国を集めてスポーツの大会を開くのも初めて。大会では各国高官も来日する。ピッチの内外を通じての防衛交流には省内からも期待が寄せられている。

この大会の観戦は一般参加可能。問い合わせは下記連絡先へ
*9月15日の日本戦など、いくつかのカードはすでに抽選が行われ、観戦ができません。柏の葉開催の決勝(23日)は収容数に余裕があります

国際防衛ラグビー競技会事務局・担当:若松、須田
E-mail:idrc2019@mod.go.jp

8月27日に防衛省内で会見が行われた。大会事務局にはラグビーマンが複数いる。若松さん(右)は桐蔭学園、防衛大学校でプレー(撮影:BBM)
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