昨季の大学選手権で4強だった早大が、8月15日、同準優勝の天理大との練習試合で33—14と勝利(長野・菅平早大セミナーハウス)。序盤劣勢だったスクラムで徐々に形勢逆転し、終盤の連続加点で快勝した。
先制点は天理大。自軍キックオフの確保から敵陣深い位置に滞留した前半3分頃、マイボールスクラムを8人一体で押し込みその脇をNO8のアシベリ・モアラ、SHの藤原忍が順に突破。インゴールを割り7−0とした(G成功)。
対する早大は以後もスクラムに苦しみ、敵陣22メートルエリアでの攻撃も相手のジャッカルで寸断される。しかしハーフタイム直前、難儀していたはずのスクラムで得点を生む。
敵陣ゴール前右中間で組み合うと、懸命に足をかいて前に出る。勢いに押された天理大は、FLがスクラムから頭をぬくなどして塊を崩す。そのまま早大がトライラインを割り、7—7の同点で後半を迎えた。
以後のスクラム勝負は一進一退。押したり、押されたりのつばぜり合いが続いたが、要所で笑ったのは早大FWだった。
7—14と天理大がリードしていた後半19分、早大は敵陣22メートルエリア右のスクラムをぐいと押し込む。
左で球を受け取ったSOの岸岡智樹が、複数あったパス方向のうちやや手前側へ放る。そちらへ駆け込んだCTBの長田智希は球をもらう瞬間のフットワークで相手タックラーを置き去りにし、直後のゴールと相まって14—14と追いついた。
続く23分には連続攻撃からHOの森島大智が大きく抜け出し、敵陣ゴール前での肉弾戦からLOの三浦駿平が抜け出す。26—14。続く34分には自陣右の深い位置でスクラムを押し、最後尾から飛び出したNO8の丸尾崇真が敵陣ゴールエリアまで駆け抜けた。ゴール成功で33—14。
早大は春シーズン終了後、それまで課題とされてきたスクラムの強化に注力。8人が塊となって押せるよう訓練してきた。この日は後半8分から左PRに久保優が入ったことで、成果を発揮しやすくなった。
勝った相良南海夫監督は「相手が変わると(どうなるかわからない)ということもありますが、成果は少し出た」と振り返った。