ラグビーリパブリック

日本がアメリカ下しPNC優勝 反則やエラー多くW杯へ向け反省点も

2019.08.10

アメリカ戦の前半11分に好走でトライを決めた福岡堅樹(撮影:出村謙知)

 6週間後に迫ったラグビーワールドカップへ向けてテストマッチを重ねている日本代表は8月10日、フィジーのスバ・ANZスタジアムでパシフィック・ネーションズカップ(PNC)の最終節をアメリカ代表と戦い、34-20で競り勝ち、3戦全勝1位で締めくくった。PNCでのタイトル獲得は、2011年大会優勝、2014年大会のアジア・パシフィック カンファレンス制覇以来となった。

 日本は前半3分、ラインアウトからモールで押し込み先制。さらにPGで加点し、11分には速いパス回しから右外のWTB松島幸太朗が抜け、サポートしたWTB福岡堅樹がディフェンダーを翻弄してゴールへ駆け抜けた。

 一方、日本と同じく2連勝で最終戦を迎え、PNC初優勝を目指す世界ランキング13位のアメリカは16分、フェイズを重ねて敵陣22メートルライン内に入り、司令塔のAJ・マギンティがダミーからディフェンスを突破、WTBマディソン・ヒューズにつなぎトライを奪い返した。その後、PGでも加点。

 日本は前半、キーポイントとして対策を立てていたラインアウトでスチールを連発したが、ブレイクダウンや、新ルールで取り組んでいるスクラムでは苦労する場面もあり、ハンドリングエラーと反則も多かった。

FBで先発した山中亮平はトライを挙げるなどアピール(撮影:出村謙知)

 20-13で折り返した日本は後半早々、SO田村優のナイスタッチキックで敵陣深くに入り、ラインアウトからフェイズを重ね、田村との連係でディフェンスを破ったFB山中亮平がトライゲッターとなった。
 今季初出場のチャンスをもらい、ワールドカップスコッド入りへ向けてアピールしたい山中はさらに55分(後半15分)、自陣10メートルライン手前からの好走で大きくゲインし、サポートもついてSH流大、HO堀江翔太とつなぎ、主将のFLリーチ マイケルがフィニッシュ。34-13とした。

 後半は無失点で終わりたかったが、71分、日本は自陣深くのスクラムでプレッシャーをかけられ、ボールを相手に奪われ失点。それでも、終盤のアメリカの攻撃に耐え、PNC優勝を決めた。

 リーチ主将は反則が多かったゲームを振り返り、「規律の部分を見直して、ワールドカップへ向けてしっかり準備したい」とコメントした。

 日本はこのあと、1週間の休みをはさみ、8月18日から28日まで北海道の網走で合宿をおこなう。そして、ワールドカップに臨む最終登録メンバー31人を提出期限の9月2日までに決定し、9月6日には埼玉・熊谷ラグビー場で本番前最後のテストマッチを南アフリカ代表と戦う。

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