謙虚なのだろう。少なくとも、謙虚でありたいと願っているのだろう。
日本代表のリーチ マイケル主将は、故障から復帰して初めてのゲームの感想をこう語るのだ。
「きょうのプレーのままだったら、ずっとリザーブです」
7月27日、岩手・釜石鵜住居復興スタジアム。ワールドカップ日本大会を目指すチームにとって、今年最初のテストマッチ(代表戦)があった。フィジー代表とのパシフィック・ネーションズカップ(PNC)初戦だ。
FW第3列のリーチはこの日、リザーブで待機。今年は恥骨の痛みが発覚したため、候補選手の集まるチームの試合を含めひとつも実戦を経験していなかった。
結局はゲームキャプテンを務めたピーター・ラブスカフニの故障に伴い、前半33分から登場する。34-21で勝利も、本人はこの調子だったのだ。
「怪我に関しては全く不安はないです。練習の時から痛さもない。ただ、脚力がなくなっている。(プレーの)精度を高め、自信をつけないと。主将は引っ張らないといけない。きょうのプレーのままだったら、ずっとリザーブです」
自分に高いハードルを課すリーチだが、味方の献身ぶりには誇りを感じている。「(これまでの)練習の準備でやってきたことはブレイクダウン。そこはできた。課題はしんどくなった時のコミュニケーション」とし、この日のチームの出来をこう語った。
「日本代表は戦い方に柔軟性がある。試合中すぐに変えられるなど、対応力も高い。選手たちのリーダーシップがよかったです」
8月3日、大阪・東大阪市花園ラグビー場でトンガ代表とのPNC2戦目を迎える。進化する組織で、船頭役がレギュラー奪還に燃える。