2か月後に迫ったラグビーワールドカップで悲願のベスト8以上を目指す日本代表が、今年最初のテストマッチで大きな自信をつかんだ。
7月27日、岩手・釜石鵜住居復興スタジアムでおこなわれたパシフィック・ネーションズカップの開幕節で世界ランキングが2つ上(9位)のフィジー代表に挑み、34-21で快勝した。
過去3勝14敗と苦手にしていた難敵フィジー相手に、日本が勝ったのは8年ぶり。フィジーは昨年11月にパリでフランス代表を初めて倒し、2週間前にはニュージーランドのマオリ代表“マオリ・オールブラックス”から62年ぶりの勝利を奪うなど、今年のワールドカップで上位進出が予想されている強豪だ。
日本は立ち上がりからよかった。前半早々、SO田村優のPGで先制。7分にはゴール前でアドバンテージをもらうと、田村がディフェンス裏に絶妙なキックを放ち、俊敏なWTB福岡堅樹がダイビングでインゴールに押さえた。
対するフィジーは12分、FLセミ・クナタニが自陣から抜け出して大きくゲインし、つないで、CTBレヴァニ・ボティアがトライを奪い返した。
しかし日本は19分、ゴール前のスクラムから攻め、クイックリサイクルのSH茂野海人がディフェンダーをひきつけ、空いたスペースへWTB松島幸太朗が鋭角に走り込み、鮮やかなトライ。
日本のペースは続き、22分にはテンポのいい継続から右外でボールをもらったNO8アマナキ・レレイ・マフィがゲインし、HO堀江翔太、松島、CTBラファエレ ティモシーとつなぎ、連続トライでスタジアムを沸かせた。
30分にはハイタックルをしたフィジーの選手にイエローカードが提示され、数的有利となった日本は直後、敵陣深くのラインアウトからモールで前進し、持ち出したFL姫野和樹がパワーでインゴールにねじ込みリードを広げた。
34分、この試合が日本代表デビューとなりゲームキャプテンも任されたFLピーター“ラピース”・ラブスカフニが右膝を痛め退くアクシデントがあったが、恥骨炎から回復しベンチで待機していた主将のリーチ マイケルが替わって入り、チームメイトを鼓舞した。
39分にフィジーにモールで押し込まれ失点したものの、日本は29-14とリードして前半を終えた。
後半早々、日本は自陣深くでミスがありピンチとなったが、FBウィリアム・トゥポウが粘り強く食らいついてフィジーにトライを許さなかった。
しばらくスコアボードが動かない時間帯が続いたが、55分(後半15分)、CTBラファエレが出足鋭いタックルで相手にプレッシャーをかけ、転がるボールにWTB松島がすばやく反応、足で巧みにコントロールしてインゴールで押さえた。
追うフィジーは60分、再びドライビングモールでトライを奪い点差は13点となったが、その後、日本は途中出場選手も奮闘し、激闘を制した。
次週(8月3日)、日本代表は大阪・東大阪市花園ラグビー場でトンガ代表と対戦する。フィジー代表は地元スバでカナダ代表とぶつかる。