7月27日にパシフィック・ネーションズカップの開幕節でフィジー代表と対戦する日本代表が、会場となる岩手・釜石鵜住居復興スタジアムで前日練習をおこなった。
「100%いい準備ができた」と話すのはトニー・ブラウン アタックコーチ。約2か月後に開幕するワールドカップへ向けて、現状を把握できる試合と位置づけ、「フィジー対策はありますが、日本の戦い方は一定していて、最終的に自分たちの持ち味をどれだけ活かせるか。対戦相手によって戦い方を変えられるのも強み」と語った。
フィジー代表については、アンストラクチャーを得意とするチームと見ており、「かなりおもしろい試合になると思います」と熱戦を期待する。
インタビューに応じたリーチ マイケル主将は、「楽しみです」とは言ったものの、少し疲れている様子だった。恥骨炎の影響もあって約7か月実戦から遠ざかっていたが、フィジー戦はベンチ入りする。試合当日、釜石の気温は30度を超えると予想されており、「それ(暑さ)だけが心配です。身体はほぼ問題ない」と語った。
リーチのポジションであるFW3列で先発するのは、6番FL姫野和樹、7番FLがゲームキャプテンを務めるピーター・ラブスカフニ、そしてNO8アマナキ・レレイ・マフィだ。
東芝ブレイブルーパス入部1年目だったとき、「スティーブン・ベイツ(元ニュージーランド代表)のリザーブだった」と思い出すリーチだが、これまで出場してきたテストマッチ59試合のうち、途中出場はたった4試合で、ベンチスタートは9年ぶりとなる。現在、練習でプレーしているのは6番だけとのことだが、「常にアップした状態で、いつでも出られるよう準備します」と話した。
日本代表は過去、フィジー代表戦を3勝14敗と苦手にしており、最後に勝ったのは2011年だ。
8年ぶりの勝利へ向けてリーチは、「明日は自分たちのプランであるアンストラクチャーを作る。フィジーはアンストラクチャーがいちばん上手なチーム。それでどうなるか」とコメント。攻守の切り替えについては、「前から練習してるから理解力は大丈夫。しっかりシャープにできている」と自信を持つ。あとは、疲れたときどれだけ正しく冷静に判断できるか。「フィジーは変なトライをしてくる。普通じゃないトライ。そこは気をつける。とられても落ち込まない」ことも大事だと語った。警戒する選手は、CTBレヴァニ・ボティアとLOレオネ・ナカラワだ。
日本代表主将であるリーチは、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた地域で試合をおこなうことについても感慨深い様子だった。スタジアムの印象を訊かれ、「日本一の芝。今まで走った中でいちばんいい芝」と絶賛した。そして、釜石で試合をやる意義について、今夜、チームに話すと言い、「震災で亡くなった方もいれば、復興を助けた人もたくさんいる。その人たちのために意義ある試合をしたい」と力強く語った。
ワールドカップイヤーの、最初のテストマッチ。
「ここで勝てば、日本代表の成長につながると思う」