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マオリ代表撃破の精鋭ズラリ。フィジー代表、日本戦メンバー発表!

2019.07.25

7月24日、千葉・成田でのトレーニングは休みなく90分ほど動き続けた。写真はSHフランク・ロマ二。(撮影/松本かおり)



 2週間前、地元・スバでマオリ・オールブラックスに27-10と快勝した。その試合のキックオフ時にピッチにいた15人中12人が釜石での決戦にも先発する。
 7月25日、フィジーがパシフィック・ネーションズカップの初戦、日本戦(7月27日)の先発メンバーを発表した。

「マオリ・オールブラックス戦同様、接点での攻防が勝敗に大きく関係する」と予想するジョン・マッキー監督は、特にFWに強力メンバーを揃えた。
 勝利したマオリ戦の先発8人中7人が同じ布陣で、唯一新しくスターターとなったエロニ・マウィも国内チーム所属の選手ながら6キャップを持つ伸び盛り。指揮官が自信を持って送り出す選手だ。
 7月24日に千葉・成田でおこなったトレーニングでもスクラム練習には時間を割き、8人一体となって低く組むことに重点を置いていた。

 破壊力抜群の動きを見せるのがLOレオネ・ナカラワ(54キャップ/ラシン92)だ。2015年ワールドカップでも活躍した201センチ、117キロの巨体ながらよく走り、チームに勢いを与える存在。経験を積んで風格も増し、現チームの充実を「若い選手たちの成長もあり、とてもバランスのいいチームになってきた」と話した。
 主将を務めるFLドミニコ・ワンガニンブロトゥ(ブリーヴ)も45キャップのキャリアを重ね、7番のセミ・クナタニは2016年リオ五輪のゴールドメダリストで機動力抜群。198センチ、117キロのサイズでペネトレーターとなるNO8ヴィリアメ・マタ(エディンバラ)も元気なだけに、ジャパンとしては、FW2列、3列を走らせたら厄介なことになりそうだ。

 BKにも危険なランナーが揃っている。
 司令塔を務めるのはワラターズ、クルセイダーズやヨーロッパのラグビーを知り、成長につなげているベン・ヴォラヴォラだ。足技もうまく、相手布陣を見て効果的にキックを蹴り込む。
 レヴァニ・ボティアとワイセア・ナヤザレヴは、ともにフランスでプレー経験を積み、CTBを組む。相手を抜く技術と当たりの強さ、その両方を持ち、オフロードパスも得意だ。FBアリヴェレティ・ヴェイトカニはSOもプレーする視野で、周囲をコントロールする。

 両WTBにはパトリック・オズボーン(ハイランダーズ/クボタにも在籍)、フィリポ・ナコシ(トゥーロン)と、それぞれ8キャップ、1キャップとテストマッチの経験は浅いが、マッキー監督は、マオリ代表との第2戦に先発したふたりに信頼を寄せる。
 特にナコシは、瞬間加速、当たりの強さ、そしてショートパントを使うバリエーションと武器を多く持つランナー。サクラのジャージーは気をつけなければいけない。

 マッキー監督は、ジャパンのテンポと試合展開のはやさを警戒し、「それをどれだけ遅らせることができるかが鍵」と話す。実際、成田での最終日にも組織的ディフェンスの確認を入念に繰り返した。
 ワールドカップでの上位進出を目論むチームは、かつてのアタック一辺倒のスタイルから脱却した姿を釜石で見せるだろうか。v

◆7月27日 vs日本代表戦メンバー

1 エロニ・マウィ
2 サミュエル・マタヴェシ
3 マナサ・サウロ
4 アルバート・トゥイスエ
5 レオネ・ナカラワ
6 ドミニコ・ワンガニンブロトゥ
7 セミ・クナタニ
8 ヴィリアメ・マタ
9 フランク・ロマニ
10 ベン・ヴォラヴォラ
11 パトリック・オズボーン
12 レヴァニ・ボティア
13 ワイセア・ナヤザレヴ
14 フィリポ・ナコシ
15 アリヴェレティ・ヴェイトカニ

16 メスラメ・ドロコト
17 ペニ・ラヴァイ
18 リーロイ・アタリフォ
19 アピ・ラトゥニヤラワ
20 ペゼリ・ヤト
21 ヘンリー・セニロリ
22 チャレ・ヴァトゥンブア
23 ジョシュ・マタヴェシ


チームを牽引するFLドミニコ・ワンガニンブロトゥ主将。(撮影/松本かおり)
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