頑丈で前向きで気配りができる。ラグビーの20歳以下(U20)日本代表を率いる水間良武監督は、京産大1年の福西隼杜をそう見ている。
「京産大の練習を観に行ったら、コンタクト練習で4年生に引けを取っていないどころか、むしろ圧倒していた。もともと高校時代(のプレー)も何回か見ていました。タフです。それに率先してものを片付けたり、周りに水を配ったりと、プレー以外のところでも貢献してくれそうかなと」
身長177センチ、体重98キロ。主戦場のFW第3列では決して大柄ではないが、ロータックルの鋭さと回数で際立つ。主将も務めた兵庫・報徳学園高時代は、高校日本代表にも選ばれた。
そして年度が明けた4月12~14日、「TIDキャンプ 2019年度第1回合宿」(千葉・アークス浦安パーク)へ呼ばれた。U20日本代表候補選手の35名にリストアップされたのだ。
水間監督に白羽の矢を立てられ、京産大の大西健監督から報告を受けたのは、同キャンプの集合日前日にあたる11日の朝練習時。空き時間に急いで荷造りし、午後のチーム練習に参加した後に移動した。
キャンプ中は、おもに主力組に入って実戦練習をおこなった。同代表での同ポジションの先輩たちの名を挙げ嬉々として語った。
「言われたのが急で驚きましたけど、素直にうれしくて。福井翔大さん、山本凱さんというすごい選手と一緒にできていい経験になっている。ここで世界をイメージして戦えることは、自分の成長につながると思います」
4月26日からはオーストラリアのクイーンズランドでオセアニアラグビーU20チャンピオンシップに参加。7月にブラジルであるワールドラグビーU20トロフィーのメンバーにも選ばれた。同大会で優勝すれば、来季は上位大会のワールドラグビーU20チャンピオンシップで戦える。かねて福西は言っていた。
「自分たちは小さいので、姿勢が高いまま(タックルに)行ってしまうと(大柄な強豪国相手には)敵わない。低さを意識していきたい。ディフェンスで低く入ることだけは、自信を持っている。そこで自分を見せていきたいです」
仲間を助けるため、自分の矜持を守るため、転んでもすぐに起き上がる。