第7回関東大学オールスターゲームが6月30日、東京・秩父宮ラグビー場であり、15人制のメインゲームでは対抗戦選抜がリーグ戦選抜に38-0で完封勝ち。同カードを3連勝とし、通算戦績で4勝3敗と勝ち越した。昨季の学生王者となった明大のメンバーが活躍した。
対抗戦選抜は前半39分、敵陣10メートルエリア左中間での攻守逆転からスコア。12-0とリードを広げた。ここ光ったのが、先発7名という明大ホットラインだった。
ここではリーグ戦選抜のFBヴィリアム・スワワ(拓大)のカウンターアタックに対し、LO箸本龍雅とFL繁松哲大が2人でタックル。HO武井日向主将もプレッシャーをかけた。スワワの落球に反応したのは、PR安昌豪。目の前のタックラーを引き付け、左大外へパスを放った。
ここから約40メートルを駆け抜けたのが、WTB山村知也だった。この日自身2本目のトライを決め、こう振り返った。
「ターンオーバーボールのリアクション(がよかった)。昌豪だったら放ってくれると思いました。前半はいいフェーズを重ねてトライというものはなかったですけど、そのなかでも一瞬のリアクション、判断のレベルは高いと思いました」
攻防の起点となるセットプレーも、明大勢が固めた。前列5名は全て安、武井、箸本らチャンピオンチームのメンバーで、序盤からスクラムをまとまって押した。
他クラブの選手と組んだリーグ戦選抜のPR中野幹主将(東海大)が「相手は前5人が明大で固まって何不自由ない状態。こちらは初めてライブで組んだのが試合の1発目のスクラムで、(呼吸が)合うまでに時間がかかった」とするなか、早大から参加の相良南海夫監督は、「スクラムが強いって、いいな」。リーグ戦選抜も徐々に形を整えたが、後半9分頃に敵陣ゴール前左での1本で反則を犯してしまう。一連の流れを、勝った武井がこう振り返った。
「最初のほうはうまく組めていたんですが、途中から相手に修正された。きつい状況でいつも通りのセットアップ(予備動作)ができなかったり、バインド(つかみ合い)の駆け引きでやられたかなと。(後半の1本は)試合中に話し合って(組み方を)修正できた」
MVPは合計3トライの山村ではなく、早大のSO岸岡智樹だった。悪天候に見舞われたこの日は、キックを用いながら同僚のCTB中野将伍、途中出場した日体大のNO8ミキロニ・リサラらパワーランナーにパスを配す。相手の反則でチャンスを得た時などに、効率よく得点した。山村は「タックル抜かれたところ、パスミスもあったので、全然です」と謙遜する一方、岸岡も殊勝に語った。
「どちらかと言えば個人技が光る試合だと予想されたので、MVPは3トライの山村選手だと思っていました。僕を選んでいただいた瞬間はびっくりしました」
お互いにコンバインドチームで臨んだ80分。白星を挙げた武井主将は「やるべきことを明確にして、試合中の修正点もあまり多くは出さずにしました」と収穫を述べる。黒星を喫した中野主将も続く。
「いろいろなラグビーの考えを持っている奴がいたり、あまりしゃべらないけど凄いプレーをする奴がいたりして、個人的にはおもしろかったです。素晴らしい選手たちがいっぱいいるなかで主将をさせてもらえたのは嬉しく思いますし、これを活かさなきゃだめだと感じました」
参加者はそれぞれ、無形の財産を獲得した。