ラグビーリパブリック

明大ルーキーSO齊藤誉哉 紫紺の重み

2019.06.18

齊藤誉哉は日大戦で80分間出場、試合を仕切った(撮影:見明亨徳)

 明大は6月16日、関東大学春季大会Bグループ最終戦で日大と対戦した。前後半5トライ4ゴールずつ計10トライ8ゴール、66-19で大勝し、5戦全勝で優勝を決めた。
 明大は昨年度の関東大学対抗戦Aで4位のため、今季春季大会はBグループに出場。しかし、Aグループの1位:帝京大、2位:東海大、3位:早大も今春、招待試合で下し8連勝と好調、大学選手権連覇へよいスタートとなった。

 ホームでの日大戦、紫紺の10番を背負ったのはルーキーの齊藤誉哉。
「初めて(紫紺の)ジャージーを着ました。不安で緊張しました」という司令塔、徐々にゲームに参加することができた。前半21分、PR笹川大五がチーム2本目のトライを奪う。その後のコンバージョンを託された。右中間から蹴りだしたボールはポールを越えた。初得点。その後、前半は3つのゴールキックを決めた。

 この日の明大。田中澄憲監督は、「今日はあえてキックをしませんでした。自陣からでもボールをキープしてアタックするということを強制的にやりました。でも、全然できていたかなと」(明治大学ラグビー部公式サイト)とコメントしている。
 その通り、日大アタックをブレークダウンで制しターンオーバーすると自陣から積極的にボールを運んだ。齊藤は愚直にボールを渡し続けた。
「ゲームをコントロールすることに集中していた」(齊藤)。自身のランでトライも取り切った。後半4分、セットプレーからサインプレーで切り込んだバックスがゲインを切る。ラックから出たボールをもらう。「外にパスも考えたが前が空いていた」とインゴールへ駆け込んだ。後半も4ゴールを成功し、1トライ8ゴール21得点、80分間出場しデビューを飾った。

 齊藤は群馬県桐生第一高から入学。高校日本代表候補だった昨年度の「第98回全国高校大会」、母校を導き初めて群馬県代表になる。聖地・花園の土を踏んだ。1回戦、米子工高を110-0で一蹴、齊藤も8ゴールを決めて初勝利に貢献した。2回戦は強豪、常翔学園に0-67と圧倒された。
 母校監督は三洋電機やパナソニック ワイルドナイツのCTBとして数々のタイトルを手にした霜村誠一氏。日本代表キャップ6を持つバックス出身の師から「いろんなアタックを教えてもらいました。大学でも生かしていきたい」という。今年3月の高校日本代表ウエールズ遠征の道は逃した。そして明大へ。

 日大戦のパフォーマンス、4年生はこう評価する。副将WTB山村知也、「良かった。齊藤はラグビースキルが高い、ナレッジも豊富」。
 明大不動の10番は山沢京平だ。春季大会、招待試合、重要な戦いは山沢が担っている。
「京平さんのレベルには、まだまだ追いついていない」。齊藤は先輩SOの背中を追いかける第一歩を刻んだ。
 明大Aは7月6日に慶大Aと対戦し、夏合宿に入る。

明大は自陣から積極的に仕掛けた(撮影:見明亨徳)
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