都内の国公立大が2019年の覇権を競う「第67回 東京地区国公立大学体育大会」は、6月9日に決勝がおこなわれた。連覇を狙う東京学芸大が一橋大を相手に前後半計6トライを挙げ、ディフェンスも機能しゼロ封、40-0で制覇した。
7年連続同じ顔合わせ。相手を知り尽くした戦いだった。雨の中、両校ともハンドリングミスが出たが、学芸大は数人が一組となって前へ繰り出すアタックが功を奏した。
前半5分、右LO安達拓海(2年、桐蔭学園出身)が最初のファイブポインターとなると、23分には左LO若杉真宏(4年、大分・玖珠美山高出身)が続いた。前半終了前の42分には安達が2本目のトライを奪い、21-0で後半へ。
後半、まずは学芸大BKが魅せた。4分、日本代表WTB福岡堅樹の後輩になる左WTB山中宣里(2年、福岡高出身)が鮮やかなランでインゴールへ運んだ。
しかし主役は安達だった。なだれ込むスタイルを貫く。27分、34分と後半も2本のトライを奪い、優勝へ導いた。
桐蔭学園時代はメンバー外で花園のピッチに立つことはできなかった安達。「今年に入り体を大きくしました。(トライは)若杉さんについていって」と試合に出るためにまい進する。
「国公立大会、全国地区対抗大会の2冠2連覇が目標」と話していた学芸大の岩本悠希監督。この日は、一橋大のアタックを止め続けたディフェンスを評価した。「普段、僕も入って練習していますが、きょうはできなかったディフェンスを見せてくれました。(地区対抗で争う)私立大にはディフェンスの強化がポイント」と言う。試合後の円陣でも学生に研鑽を呼びかけた。
敗れた一橋大。前半、先制された後、学芸ゴールラインに迫ったがトライを取り切ることができなかった。ひとつ取っていたら流れは変わったかもしれない。
CTB佐々木勇気(3年、国立高出身)は「うちのアタックが学芸に読まれていた」と話した。ルーキーのFL島田耕成(本郷高出身)も「完敗」と言葉少なだった。
この7年の戦績は学芸大5勝、一橋大2勝となった。
今季、学芸大は全国地区対抗大学大会2連覇、一橋大は関東大学対抗戦Bグループ優勝とA昇格を目指し、熱い夏を迎える。