ラグビーリパブリック

カップ戦「前哨戦」は、トヨタがパナソニックに逆転勝ち。

2019.06.05
昨季、帝京大主将を務めたトヨタLO秋山大地。「まずレギュラーを取らないと」(撮影:阿部典子)

昨季、帝京大主将を務めたトヨタLO秋山大地。「まずレギュラーを取らないと」(撮影:阿部典子)

 

 6月2日、トップリーグ カップ戦の前哨戦となるトヨタ自動車ヴェルブリッツ対パナソニックワイルドナイツの試合が北海道協会招待試合として、札幌ドームで行われた。

 ラグビーの試合が札幌ドームで行われるのは、昨年4月30日の帝京大対明大戦に次いで2回目。今年9月に開かれるラグビーワールドカップのシミュレーションも兼ねて開かれた一戦は中高生無料招待、一般は有料試合。北海道で開催された試合としては史上最多の1万2100人の観客を集め、北の地での盛り上がりを印象付けた。

 試合は前半、パナソニックペース。

 トヨタはスクラムで優位に立ちながら、パナの早い防御に前に出られず。
6−3とパナのリードで折り返した。

 後半、双方とも交代でメンバーを入れ替えるとトヨタのアタックに勢いが生まれ始める。中盤からトライの取り合いとなり、後半40分、途中出場のCTB鈴木啓太のトライで逆転。ロスタイムにSOクリントン・スワートが連続PGを決めて30−21で逆転勝ちした。

 6月22日から始まるカップ戦をにらみ、両チームとも今春加入のルーキーを数多く起用した。トヨタはLO秋山大地(帝京大)、WTB高橋汰地(明大)、パナソニックはPR古畑翔(大東大)、FB竹山晃暉(帝京大)らが先発に名を連ねた。
「パナソニックは長い間、トップリーグで歴史を作ってきた素晴らしいチーム。簡単にはいかないと思ったが、ハードワークしてくれた。ルーキーがよくやってくれた」とトヨタのジェイク・ホワイト監督。

 一方のパナソニックのロビー・ディーンズ監督も「試合は負けたが、カップ戦に向けての目的は達成された。いくつか修正が必要だが、カップ戦には問題ない」と満足げな表情を見せた。

 ともにワールドカップで戦った経験を持つ名将は、札幌ドームについては高い評価を与えた。

慶大で活躍したWTB/FB丹治辰碩も社会人デビューを飾った(撮影:阿部典子)

「どの席からでもグラウンドがよく見えて、柱など遮るものが何もない。屋根があるので、ボールをワイドに回したいチームにとっては最高のスタジアム」とホワイト監督。

 ディーンズ監督も「ここは、風も雨も影響を与えない。チームの目指すラグビースタイルがはっきり出るので、監督にとっては言い訳ができません(笑)」とジョークをまじえてコメントした。

 札幌ドームでは9月21日にオーストラリア対フィジー、翌22日にはイングランド対トンガの試合が行われる。

「チケットを持っている人はラッキーです。間違いなく素晴らしい試合になる。試合前後の観客の雰囲気も、おそらく日本の人たちは初めて体験するものだと思います。ドームの中ですが、ビールの雨が降るでしょう(笑)」(ディーンズ監督)

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