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日大、筑波を圧倒。スクラムと密集で反則を引き出し、FW戦貫く

2019.06.02
 2年生NO8ハラシリ・シオネは日大の突貫小僧。ここぞの場面で粘りある突破力を見せた(撮影:福島宏治)

 2年生NO8ハラシリ・シオネは日大の突貫小僧。ここぞの場面で粘りある突破力を見せた(撮影:福島宏治)


 自分たちの強みは何なのか。そこに懸けた挑戦者が望外の圧勝を手に入れた。

 日大48-29筑波大。

 6月2日、筑波大学グラウンドで行われた関東大学春季大会Bグループ・日大対筑波大は、日大がスクラムなどのFW戦で後半に優位を明確にし、終盤に突き放す会心の展開で勝ち切った。

 日大のFW戦を最前線で率いたルースヘッドPR・坂本駿介主将はチームの戦い方に確信をもって貫いた。

「FWがしんどい思いをしても前に出られれば、自分たちの戦いができる。そう信じているので」

 残り20分の段階でスコアは24-24。ここから苦しい時間帯を乗り切って畳み掛けた。

 日大スクラムの優位は、「はじめから」ではなく、前半の劣勢を覆したものだ。

「前半、こだわってきたスクラムを思うように押すことができなかったことで、フィールドの動きが鈍ってしまった」(日大・坂本主将)

 スクラムはスクラムで改善しながら、フィールドでもしっかりとFWの仕事をしよう。ハーフタイムに確認しあった日大は、地面に寝ている時間を少なく、すぐに起き上がって個々が仕事量を増やし、密集近くの守備を厚くした。

 後半は、筑波側のメンバー交代もあり、スクラムで圧力をかけ、フィールドの動きでも相手を上回った。筑波が中盤エリアで反則を繰り返す展開から、「タッチキック、ラインアウト、FW戦」のパターンを繰り返して、相手を突き放した。

 筑波大のゲーム主将、PR鎌田慎平は「今のチームの層の薄さが、後半に出てしまった。敗因はFWです」と、悔しさを噛み締めながらも率直に試合を振り返った。

 日大はCTBフレーザー、筑波大は教育実習中のSH杉山優平主将ら、互いに主力を複数欠く対戦。それぞれに収穫はあったが、勝利にこだわって成長の証を手に入れた日大の取り分は、多かった。

その他の大学の結果(6月2日)
◼️関東大学春季大会
早大 47−24 大東大
拓大 63−47 青学大
◼️関西大学春トーナメント
京産大52―14立命大
◼️招待試合(準決勝)
明大35−17帝京大