今年秋に日本で開催されるラグビーワールドカップで悲願の初優勝を目指し、プールステージでは日本代表とも対戦することが決まっている現世界ランキング3位のアイルランド代表だが、キープレーヤーと見られていたバックロー2人が負傷で参加が絶望的となった。
そのひとりは代表56キャップを持つショーン・オブライエン。股関節を痛め、5月25日におこなわれたプロ14の決勝に出場できなかったオブライエンについて所属チームのレンスターがリリースを出し、数週間のうちに手術を受ける予定で、回復まで最大で6か月はかかる見通しだという。よって、経験豊富で最も信頼されていた32歳のフランカーは、9月20日から11月2日まで開催されるワールドカップ日本大会への出場はほぼ不可能となった。
オブライエンは2011年と2015年のワールドカップに出場し、4年に一度結成されるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのメンバーとしても5キャップを持っている。2010-2011シーズンにはレンスターのハイネケンカップ(現 ヨーロピアン・チャンピオンズカップ)優勝に大きく貢献し、ヨーロッパ最優秀選手に選ばれた。
オブライエンは来季からイングランドのロンドン・アイリッシュへ移籍することが決まっており、アイルランドラグビー協会は国外を拠点とする選手はナショナルチームに選ばないというポリシーを持っているため、オブライエンのアイルランド代表としてのキャリアは終わったかもしれない。
アイルランド代表にとって大打撃なのは、春にもうひとり、ワールドクラスのオープンサイドFLを失っているからだ。
オブライエンの背中を追って成長し、2018年にレンスターの最優秀選手に選ばれたダン・リーヴィーも、負傷で今秋のワールドカップ出場は絶望的と見られている。
リーヴィーは今年3月30日におこなわれたチャンピオンズカップの準々決勝でディフェンスの際に膝を負傷して動けなくなり、ストレッチャーで運ばれていた。
リーヴィーは2016年11月にアイルランド代表デビュー。翌年6月には静岡でおこなわれた日本代表戦で初めて先発を任され、2トライを挙げるなど活躍した。そして、2018年のシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)でも背番号7をつけて全勝優勝に貢献。25歳の成長著しいハードワーカーで、ワールドカップでの活躍が期待されていた。