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サンウルブズまたも完封負け… ブランビーズに屈し今季10敗目

2019.05.12

ブランビーズ戦でプレッシャーをかけられる田村優(Photo: Getty Images)

 南半球のトッププレーヤーたちと競うスーパーラグビーに日本から参戦しているサンウルブズは、5月12日にオーストラリアのキャンベラ・GIOスタジアムでブランビーズと対戦し、0-33で敗れた。完封負けは4月26日のハイランダーズ戦以来、2度目。15チーム中最下位のサンウルブズは今季これで10敗目(2勝/総勝点12)となった。ブランビーズは相手より3トライ以上多くトライを挙げたことでボーナスポイントも獲得し、総勝点を29(6勝6敗)に伸ばしてオーストラリア・カンファレンスの首位に立った。

 サンウルブズは立ち上がりがよく、前半2分にチップキックを使った攻撃でチャンスを作り、すばやい展開からWTBゲラード・ファンデンヒーファーがインゴール右隅に飛び込んだが、グラウンディング寸前に足がタッチライン外に出ていたことがTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認され、先制できなかった。

 その後もサンウルブズはキックを多用し、前に出るディフェンスでも相手にプレッシャーをかけていたが、前半13分、ブランビーズのWTBヘンリー・スペイトが自陣22メートルライン内から抜けて大きくゲインし、サポートしたCTBテヴィタ・クリンドラニとのパス交換から再びボールを手にしてゴールへ駆け抜け先制した。

 16分にはサンウルブズがキックを使って敵陣深くに入ったが、ブレイクダウンでターンオーバーされ、クリンドラニにビッグゲインを許し、SHジョー・パウエルにつながれ連続トライとなった。

 27分にはブランビーズ得意のドライビングモールを止めたサンウルブズだったが、ブランビーズは右へボールを動かし、WTBスペイトがコーナーにフィニッシュ。サンウルブズは19点ビハインドで折り返した。

 後半もブランビーズペースは変わらず、52分(後半12分)、敵陣10メートルライン付近のスクラムからの攻撃でスペイトが抜け、FBトム・バンクスにつないでトライ。

 サンウルブズは63分にゴールに迫ったがブランビーズの堅守を崩せず、その1分後にはハーフウェイ付近でのパスの乱れからカウンターを許し、0-33となった。

 サンウルブズは終盤、CTBジョシュ・ティムの中央突破でチャンスを作ったがトライを挙げることはできず、その後、敵陣深くでのラインアウトはスローイングが乱れ、試合終了間際の連続攻撃も実らず完封負けとなった。

 サンウルブズは今季残り4試合。次節は休みとなり、5月25日に東京・秩父宮ラグビー場でレベルズ(オーストラリア)と対戦する。

【トニー・ブラウン ヘッドコーチ コメント】
 この数試合厳しい結果が続いていますが、これまで戦ったチーム全てが素晴らしいチームであり、12試合全てがタフな試合でした。今日の試合では、前半最初のファンデンヒーファーのトライが認められず、その後ターンオーバーから相手にソフトトライを取られてしまい、厳しい試合運びとなりました。
 ブランビーズのモールを止めることはこの1週間準備してきたことなので、そこは評価できる内容だったと思います。しかし相手のモールを止めることはできましたが、フィールドの隅にトライを取られてしまいました。フィールド全ての部分をカバーすることは非常に難しいです。
 勝つためにはしっかりと準備しなければいけません。チャンスがあればそこをしっかり活かし、簡単なミスをしてはいけない。それがラグビーです。正直我々は、チーム全体でプレーする時はいいですが、個々でプレーすると、いいラグビーができません。今日の試合では、ゴールラインに近づけば近づくほど、個々のプレーや個々でのミスが目立つ結果となりました。