世界10か国・地域から24チームが福岡県のグローバルアリーナに集まり、「第20回 サニックス ワールドラグビーユース交流大会」が4月28日に開幕した。
15人制でおこなわれる男子は4チームずつの4組に分かれて予選リーグを実施。
今春の全国高校選抜大会を制した桐蔭学園(神奈川)は、プールDでロシア王者のエニセイ-STMを38-0で下した。前半は競ったものの、フィジカル強くアグレッシブなロシア選手を堅守で止め、10-0で迎えた後半はクイックパスでつないでWTB飯塚稜介がフィニッシュするなど4トライを重ね、突き放した。
同組のもう1試合は、昨年の南アフリカランキング2位というポール ルース ジムナジウムが、予選会を制して出場権を獲得した京都工学院をスピード、パワーで圧倒し、49-7で快勝した。
昨年度の高校日本一である大阪桐蔭はオープニングゲームでエクセター カレッジ(イングランド)と対戦し、31-31で引き分けた。大阪桐蔭は14点ビハインドの後半に2トライを奪って同点に追いつくと、同18分、ラインアウトからゴールに迫ったあとボールを動かし、SO嘉納一千がギャップを突いてインゴールに飛び込み勝ち越した。しかしその4分後、ゴールラインを背にして懸命のディフェンスを繰り返していたが、エクセターがFWのパワープレーで取り切り、コンバージョンも決まってドローとなった。
この2チームと一緒のプールAには佐賀工業も入り、昨年のウルグアイU17国内チャンピオンであるザ・ブリティッシュ スクールズに挑んだが、7-24で初戦を落としている。
プールBでは、優勝争いに加わると予想されるニュージーランドのセント ピーターズ カレッジと、地元ファンの期待が大きい東福岡がいきなり激突。東福岡は前半5分にSO森駿太が自陣から抜け、キック&チェイスで自らボールを確保し先制トライを挙げ、アグレッシブなディフェンスを繰り返していたが、2018年のニュージーランド国内王者は強かった。セント ピーターズの選手たちはコンタクトに強く、ブレイクダウンでも東福岡を苦しめて徐々に主導権を握り、ブルーズ(スーパーラグビーチーム)のU17代表でもある主将のHOナリヤン・ストリックランドやSOエイジェイ・ファレアファガなどが躍動して、45-10と東福岡を圧倒した。
プールBのもう1試合は、中部大春日丘(愛知)とウェールズから初来日したカーディフ アンド ベール カレッジが対戦。身長190センチ超の両LOを含め大柄な選手が多いウェールズチームに対し、春日丘はしぶといディフェンスを続け接戦となったが、13-18で惜敗。相手も堅守で、春日丘がゴールラインを何度か越えたがグラウンディングを許さず、試合終了間際、5点を追う春日丘が敵陣22メートルライン内に入ったが、ウェールズの長身選手がラインアウトボールをスチールし、まもなくノーサイドとなった。
全国高校選抜大会の準決勝で桐蔭学園と大接戦を演じた京都成章は、プールCの初戦で韓国のペクシン ハイスクールを60-3と圧倒し、好発進している。
同組のもう1試合は、流経大柏(千葉)がオーストラリアのウェーバリー カレッジと対戦し、24-27で惜敗した。流経大柏は5点ビハインドの後半18分、LOディアンズ・ワーナーが仲間の後押しを受け、パワーと巧みな身のこなしでタックラーをかわし、トライ。コンバージョンも決まって逆転した。しかし、粘るウェーバリー高は試合終了間際、敵陣22メートルライン中央のスクラムから左にボールを動かし、高校オーストラリア代表でもある体重100キロのCTBが流経大柏のディフェンスを破ってゴールへ走り切り、逆転ゲームとなった。
女子は7人制で8チームが競い、2組に分かれてのプール戦の結果、石見智翠館高(島根)、福岡レディース、関東学院六浦高(神奈川)、ホーウィック カレッジ(ニュージーランド)がベスト4入り。29日におこなわれる1~4位決定トーナメントの準決勝では、プールAを1位通過したニュージーランドチームにプールB2位の福岡レディースが挑み、プールBを全勝だった石見智翠館とA組2位通過の関東学院六浦がぶつかる。
プールAで関東学院六浦と引き分け1勝1分1敗(勝点6)で並びながら、得失点差で4強入りを逃した追手門学院高(大阪)は、5~8位決定トーナメントに臨む。