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スーパーラグビー今季初出場へ。サンウルブズ堀江翔太・初代主将、「必死」に適応中。

2019.04.25

ハイランダーズ戦前日の練習後、メディア対応する堀江翔太(撮影:向 風見也)

 チームにはなじみましたか。「なじんでは…ないですよ!」。4月25日、東京・秩父宮ラグビー場。ラグビー日本代表のHOとして58キャップ保持の堀江翔太は、絶妙な間合いにより即答。ジョークで報道陣を笑わせた。

 国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズへは、21日に合流したばかり。その前日までは、ウルフパックの一員だった。

「1週間目なので、必死です。まずこのチームにフィットしなければならない。サンウルブズがこれまでやってきたようにしっかり合わせなければならない」

 ワールドカップ日本大会を今秋に控えた日本代表候補は、サンウルブズとウルフパックのふた手に分かれていた。堀江がこのタイミングでサンウルブズに移ったのは、ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチらの「より高いレベルでの試合を」との意向を受けてのこと。自身としても望むところだったが、いざその場に加われば対応すべき課題があった。

 両チームとも戦術の大枠は共有しているものの、構成員や時間の過ごし方は違う。ウルフパックからサンウルブズに移る選手はまず、両軍間の微妙な誤差に対応しなければならない。堀江はこうも話した。

「ラインアウト、スクラム(の方式)も違います。アタックでも、こっちは毎回の相手に合ったシェイプ(陣形)を(運用)しているし。だから、すぐになじむのは難しい。(同時期に合流したSOの田村)優も、頑張っているんじゃないですか」

 一方で、過去の海外経験を踏まえ「僕がオタゴ(ニュージーランド)、レベルズ(オーストラリア)にいた時よりは、やりやすい」とも笑う。

「当時は自分で勉強して練習でパッとあわせなあかんかったのですが、ここでは間違っていたら周りが教えてくれるし」

 昨秋に負った疲労骨折も徐々に回復。26日には、秩父宮でのスーパーラグビー第11節でリザーブ入りする。自身も滞在したオタゴのハイランダーズとの一戦で、活躍を誓う。

「相手はセットピースが強いチームなので、そこらへんはリードする。フィールドプレーで僕らが勝っているところもあるので、ワークレート高くやっていきたいです」

 自身合流前の19日、サンウルブズは秩父宮でのハリケーンズ戦で23-29と逆転負け。大幅なメンバーチェンジ後のラインアウトが乱れた。

 今度の試合では、堀江が終盤戦のラインアウトで球を投げ入れそう。「なるべく僕もLO陣(サインを出したり、空中で捕球したりする選手)に『シンプルでいいよ』と話していきたい」とも語った。

「後半、どれだけコミュニケーションを取って動けるか」

 ラグビーへの造詣の深さに定評のある33歳は、悠然と構える。勝てば今季ホーム初勝利となる。