4月26日に東京・秩父宮ラグビー場で対戦する日本チームのサンウルブズとニュージーランドのハイランダーズはかかわりが深い。
脳しんとうのジェイミー・ブースに代わってサンウルブズの9番をつける田中史朗は、かつて4季ハイランダーズに在籍し、現日本代表ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフが同クラブの指揮官だった2015年にスーパーラグビー初優勝に貢献したひとりだった。
当時のスコッドには、今回サンウルブズの選手として試合登録メンバーに名を連ねたFLダン・プライアー、SOヘイデン・パーカー、ユーティリティBKジェイソン・エメリーもいた。ジョシュ・ティムは今年、ハイランダーズのプレシーズントレーニングに参加していたが、契約を勝ち取ることはできず、サンウルブズから声がかかって来日した選手。今週金曜夜には13番をつけて、かつて目標としていたチーム相手にスーパーラグビーの舞台でプレーする。サンウルブズのベンチに入るダニーデン(ハイランダーズの本拠地)出身のLOトム・ロウも胸に期するものがあるに違いない。
「ハイランダーズでもプレー経験のある選手がサンウルブズには何人かいますが、本人たちも今回対戦相手として戦うことはとても楽しみにしていると思います。金曜日は楽しいゲームになると思います」
そう言うトニー・ブラウン ヘッドコーチもハイランダーズのOBであり、指導者としてもかかわり、2017年には同チームの指揮官だった。
一方、ハイランダーズの現コーチングスタッフにはサンウルブズの初代ヘッドコーチであるマーク・ハメットがおり、注目の一戦となる。
今季2勝7敗と、健闘したゲームがありながらも数字に反映されていないサンウルブズだが、頼もしい戦力が加わった。秋のワールドカップを見据えて日本代表トレーニングスコッドで活動していたHO堀江翔太とSO田村優が加わり、ハイランダーズ戦では両選手ともベンチメンバーに入った。日本代表候補選手らによって編成された特別チームのウルフパックで試合出場していた堀江と田村だが、スーパーラグビーで今季プレーするのは初めてとなる。
「彼らはサンウルブズとは少し違うスタイルのラグビーをプレーしていたと思いますが、この1週間の練習でうまくフィットしてきています。後半インパクトプレーヤーとして、しっかり仕事をしてもらいたいと思います。また、彼らにとっては秩父宮の2万人近い観客の中でプレーすること、そしてスーパーラグビーというタフなリーグでプレーすることはいいチャンスです」(ブラウン ヘッドコーチ)
そのほか、今夏に3年継続居住の条件をクリアして日本代表入りの資格を得る身長201センチのグラント・ハッティングが戦列復帰で、指揮官が高く評価する身体能力と走力を今回はFLとして発揮することになった。
<サンウルブズ (4月26日・ハイランダーズ戦) 試合登録メンバー>
1.パウリアシ・マヌ(日野) 2.ネイサン・ベラ(―) 3.山下裕史(神戸製鋼) 4.マーク・アボット(―) 5.トンプソン ルーク(近鉄) 6.グラント・ハッティング(神戸製鋼) 7.ダン・プライアー(主将/宗像サニックス) 8.ツイ ヘンドリック(サントリー) 9.田中史朗(キヤノン) 10.ヘイデン・パーカー(神戸製鋼) 11.セミシ・マシレワ(近鉄) 12.ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ(―) 13.ジョシュ・ティム(―) 14.ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタ) 15.山中亮平(神戸製鋼)
〔リザーブ〕
16.堀江翔太(パナソニック) 17.アレックス・ウォントン(リコー) 18.浅原拓真(東芝) 19.トム・ロウ(―) 20.ベン・ガンター(パナソニック) 21.茂野海人(トヨタ自動車) 22.田村優(キヤノン) 23.ジェイソン・エメリー(宗像サニックス)