ラグビー日本代表のリーチ マイケル主将は現在30歳。年齢を感じることはあるかと聞かれ、「テレビに出る時、カッコ内に年齢が出ると『年を取ったなぁ』って」と笑った。もっともアスリートとしては「海外の選手では36、37でも代表でプレーしている」と、決意がぶれない。
今年秋、4年に1度のワールドカップが日本である。2013年に帰化したリーチはこれまで、母国ニュージーランドでの2011年大会以来2度のワールドカップに参加。今度は主将としての2大会連続出場を目指すが、現在は恥骨を痛めたためリハビリ中だ。
共同取材に応じたのは4月15日。千葉・アークス浦安パークでのラグビーワールドカップトレーニングスコッドキャンプ・第7クールの初日セッション後だ。これまで仲間が沖縄やニュージーランドを回るなかひとりで調整を続けてきたリーチは、この午後も練習を見学したのみ。合流した感想を問われる。
「3週間、チームから離れてひとりでリハビリをしていました。帰ってきた時、(チームは)大きく変わっていない(と感じた)。それがいいことか悪いことかはわからないですが、変わってなくて(問題がなくて)よかったです」
話題は、痛みが起きた経緯にも転じる。「腹筋とか、いろいろとやり過ぎて、(恥骨を)傷めちゃった」。ハードワーカーという気質が災いしたようだ。改めて、現在30歳。これからは、ひたすら身体をいじめ抜いた20代の頃とは違った鍛え方をしていきたい。
「今後について、学べました。トレーニングの仕方についてです。これ以上、重りで筋力をつける必要はないんじゃないかと。(今後は)いまある力をうまく使うか(が重要)。モビリティの部分です。もう、30歳になりますから。いろいろな僕と同い年くらいの選手から聞いたんですけど、(トレーニングは強化よりも)維持だって」
日本大会の期間中に31歳となるリーチは、34歳、38歳で迎える2023、27年のワールドカップへも視線を向ける。
「まず今度の一回と、次くらいまで勝負したい。その次は……どれくらいモビリティがあるか(で決めたい)」
輝く未来のためのいまを過ごす。