神奈川県の桐蔭学園が、春の全国高校選抜ラグビー大会で史上2校目の3連覇を遂げた。第20回大会の決勝が4月7日に埼玉・熊谷ラグビー場でおこなわれ、奈良県の御所実業に29-19で逆転勝ち。平成最後のビッグタイトルを獲得した。
御所実は11年ぶりの決勝進出だったが、初優勝には一歩届かなかった。
前半をリードしたのは御所実だった。
8分、ゴール前でPKを得ると、タップからモールを組んで押し込み先制した。19分には敵陣深くのスクラムから攻め、バックスラインにいたNO8西林勇登が力強い走りでトライを挙げた。
14点を追う桐蔭学園は25分、CTB桑田敬士郎がPGを決め、3点を奪い返す。ハーフタイム前にはFB天羽秀太の好走で敵陣22メートルライン内に入ってフェイズを重ね、ゴールに迫り、FWがピック&ゴーを繰り返したあと、SH亀井健人が間隙を突いてインゴールに押さえた。コンバージョンも決まり、10-14で折り返した。
前半最後に得点して流れを変えた桐蔭学園は後半の立ち上がりがよく、相手の反則などもあって連続攻撃でゴールに迫ると、4分、PR岡広将がインゴールに突っ込んで逆転した。16分には途中出場のSH島本陽太が敵陣22メートルライン付近で切り込み、パスをもらったFL石塚勝己が抜けて加点し、24-14とした。
早めに点差を詰めたい御所実は20分、ラインアウトから得意のモールで前進してゴール前5メートルまで迫り、右へ動かして背番号14の石岡玲英がフィニッシュ。5点差とした。
だがその後、怒涛の攻撃を繰り返す桐蔭学園に対し、御所実は懸命のディフェンスで耐えていたが、29分、桐蔭学園のNO8佐藤健次が10点差とする決定的なトライを挙げた。
あきらめない御所実は試合終了間際、WTB安田昂平が自陣から大きくゲインしてゴール左目前まで持ち込んだが、桐蔭学園キャプテンのSO伊藤大祐が好ディフェンスでトライを許さず、直後、ノーサイドの笛が鳴った。
桐蔭学園の全国高校選抜大会3連覇は、2009~2012年(2011年大会は東日本大震災の影響で中止)に東福岡が達成して以来の快挙である。