ラグビーリパブリック

サクラセブンズ、準決勝でスコットランドに敗れる。コアチーム昇格ならず。

2019.04.05

「もっとスマートな試合をしないといけなかった」と中村知春主将。(撮影/松本かおり)



 濃紺のジャージーを振り回すことができなかった。
 女子セブンズ日本代表(以下、サクラセブンズ)がコアチーム昇格大会の準決勝でスコットランドに敗れた(4月5日/香港)。HSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズ2019-2020への参戦は叶わず、2020年の東京五輪へ向けての強化プランを書きかえなければいけなくなった。

 今大会で開幕から4連勝と勝利を重ねてきたものの、すべての試合で立ち上がりに不満が残ったサクラセブンズ。この試合も同様だった。
 キックオフボールを獲得するも、展開の途中でノックオン。直後のスクラムから先制点を許した。
 4分過ぎにはキックオフレシーブから攻められ、相手のスピード勝負にタックルを外される。
 準備してきた「立ってつなぐ」スタイルで攻め込み、マテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェが2トライを奪って前半を12-10とリードするも、危なっかしい7分だった。

 後半も脆さが出た。
 立ち上がりにまたもペナルティをとられ、PKから攻められる。タックルミスも重なり、右サイドを攻略された(12-17)。
 さらにスクラムから走られ、残り3分強で12-24。その後ターンオーバーから攻めて鈴木陽子がインゴールに飛び込むも、19-24でフルタイムを迎えた。

「要所でミスが出たり、勝負どころでタックルミス。そういうものもひっくるめ、プランを立て、長いスパンで準備をしてきた中身が、間違っていたのかもしれない。自分の責任です。検証します」
 稲田ヘッドコーチは、「選手たちは、この悔しさを先につなげてくれると思う」と話した。

 海外遠征を重ね、実力国との試合を通して経験値を高めてこの日を迎えた。ただ、その中で主力に怪我人も出たことが今回に響いた面もある。
 しかし指揮官は、「オリンピックでメダルを取るためには必要なことだったと思う」と決断し、調整より強化すること、進化し続けることの方を取った。
 今大会を勝ち切るという点では間違いだったかもしれないが、本当の判断は、五輪が終わったときにしかできない。

 確実に階段を昇ってはいても、結果を手にできなかった。
 勝負強さを得るにはコアチームとなり、世界の強豪と真剣勝負の舞台で戦いを繰り返すしかないのに、その機会を失った。最終的なゴールがまだ先だということのみが救いも、残り1年半の過ごし方は練り直すしかない。

 中村知春主将は、「すべての不安を取り除いて試合に臨めたかというと、どうだったか。相手への対策、自分たちの欠点を埋めるという点でスコットランドの方が上だったかもしれない。自分たちのラグビーをやれば大丈夫と思いながらも、チャレンジャーということは忘れないで戦おうと言っていましたが、受けてしまったところがあった」と戦いを振り返った。


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