日本ラグビー界の名門、パナソニック ワイルドナイツの発表に衝撃が走った。
3月29日、ビッグネームを含む17選手の退団、2選手の引退を発表。そのなかには、日本代表として今年のワールドカップでも活躍が期待されるSH田中史朗(34歳)やWTB山田章仁(33歳)の名前もあり、トップリーグ連覇に貢献してMVPに2回輝いたSOベリック・バーンズ(32歳)、ラグビーワールドカップトレーニングスコッドのキャンプに練習生として参加していたLO宇佐美和彦(27歳)、元オーストラリア代表のCTB/WTBディグビ・イオアネ(33歳)、ニュージーランド代表に復帰したFLマット・トッド(31歳)などもワイルドナイツのジャージーを脱ぐ。
さらに、2015年ワールドカップで田中、山田らとともに日本代表として歴史的3勝を遂げ、野武士軍で13年プレーしたNO8ホラニ 龍コリニアシ(37歳)と、選手として11年在籍した韓国代表のLO/FL劉永男(35歳)は引退となり、2人とも兼任していたアシスタントコーチに専念する。
三洋電機時代から合わせて12年間所属したワイルドナイツを離れることになった田中は、「たくさんの指導者やチームメイト、関係者の方々はもちろん、ワイルドナイツの素晴らしいファンの皆さまと出会えたことは、僕のラグビー人生にとってかけがえのない財産です。どこにいても僕はワイルドナイツが大好きですし、ラグビーを愛し続けたいと思います。これからも日本ラグビーとワイルドナイツ、そして田中史朗の応援をよろしくお願いします」とコメントした。
今年の秋に日本で開催されるワールドカップを大きな目標とする田中は現在、スーパーラグビーで戦うサンウルブズの一員としてオーストラリアに遠征中。
田中と同じくラグビーワールドカップトレーニングスコッドのメンバーである山田は、「伝統あるワイルドナイツのジャージーに袖を通してから9年が経ち(ホンダから移籍して2010年に加入)、どのシーズンも刺激的で、色濃く私の記憶に残っております」と振り返り、応援してくれたファン、育ててくれたスタッフ、コーチ、励まし競い合ったチームメイトたちに感謝する。「パナソニックという素晴らしい組織の中でラグビーができたこと。近年では私の昔からの願いでもある、グローバルに戦いたいという想いも叶えることができ、非常に充実した競技生活を送ることができました。これも全て、パナソニック ワイルドナイツに関わる皆さんのおかげであります。人生はもちろん、ラグビー選手としても、まだまだ道半ばであります。今後はこのパナソニック ワイルドナイツで学んだことを生かし、経験を糧に、盾に、時に刀にし、野武士のごとくいばらの道を切り開いていきたいと思っております」とコメントした。
そして、6年在籍した元オーストラリア代表のバーンズは、「本当に寂しいです。特別な思い出は、コリさん(ホラニ)のチームBBQ、川口PAのアメリカンドッグ、スパッド(ヒーナン ダニエル)のチームミーティング中のオナラ、グレイブヤード(太田市運動公園陸上競技場)での試合、ソア(ホラニ龍シオアペラトゥー=釜石シーウェイブスに移籍)とテビタ(ツポウ)のチーム内床屋さん、スターバックスでのミーティング、Mr.完璧(霜村誠一OB=桐生第一高校監督)と三宅さん(三宅敬OB:WKSP)の次世代の選手たちへのコーチング、そして、試合で勝った後のラシー二さん(ホラニの親戚)とファンの方々への挨拶…他にもいくらでも思い出せるのですが、このくらいでやめておきます」と振り返り、チームが拠点とする群馬県太田市にいる間、自身だけではなく家族にも素晴らしいサポートをしてくれたクラブやファンに感謝した。
そのほか、9年在籍した元日本代表のFL西原忠佑(31歳)も退団することとなり、「心から愛するワイルドナイツを去ることは寂しいです。在籍した9年間で出会えた仲間や経験を大切にこの先も前に進んでいきます。これからも未来の自分に期待しながらチャレンジしていきます」とコメントした。
さらに、セブンズ日本代表としても奮闘したWTB鶴ヶ崎好昭(29歳)、4年在籍し日本A代表にも選ばれたPR田村エムセン(23歳)、2017-18トップリーグでベストフィフティーンに選出されサンウルブズでも活躍したLOサム・ワイクス(30歳)、1年在籍したPRトム・モロニー(25歳)、PR/HOコーネ・フーリー(30歳)、PRトロイ・ハレット(23歳)、PRセフ・ファアガセ(28歳)、HOアッシュ・ディクソン(30歳)、HOマヘ・ヴァイラヌ(22歳)、SO/FBローソン・クライトン(20歳)、そして、ジュニア・ジャパンおよびU20日本代表の監督に就任した水間良武FWコーチも退団が決まった。