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スクラム苦戦…。坂手、サンウルブズの反則はどうなくす?

2019.03.18

レッズ戦で背番号2をつけ後半16分までプレーした坂手淳史(写真中央/Getty Images)

 サンウルブズはスクラムで何度も反則を犯し、自陣にくぎ付けにされた。両軍そろって塊が崩れたら、対するレッズにペナルティキックが与えられる展開。サンウルブズの坂手淳史は困った。

「(反則を)取られる感じではなかったんですけど、全部、向こうに(レフリーの手が)上がった。(スクラムが)落ちてしまったらどちらに手が上がるかは微妙なところ。コミュニケーション不足です。ただ、あそこを改善していかないと」

 相次ぎコラプシング(塊をわざと崩す反則)を取られた背景を、こう述懐する。スクラム最前列中央のHOとして、相手との間合いやつかみ合うタイミングなどを調整し続けはした。しかし、いい感触をつかむには至らなかった。担当レフリーに解釈について質問しても、視線が合わない。

「あまり(こちらの話を)聞いてくれない感じだったのですけど…。こちらがやりたい形もあったのですが、毎回(反則を)取られていると、(コミュニケーションが)できない」

 試合は前半を21-5とリードしながら、最後は31-34で敗れた。3月16日、東京・秩父宮ラグビー場。国際リーグのスーパーラグビーでの今季ホーム初勝利はお預けとなった。

「相手を生き返らせたのはセットプレーだった。簡単に相手に入れさせてしまったのは反省点です。(空中戦の)ラインアウトでもミスはありましたね。(ボールを投げ入れる際は)相手も競ってきていたのでピンポイントに放りたかったですが…。練習します」

 キックチャージやランナーを押し返すタックルなど得意技を繰り出してもいるが、セットプレーで苦しみ1勝4敗と黒星先行である。

 この日は組織防御についても「相手のアウトサイドの選手がインサイドに切ってゲインする場面が多かった。(アウトサイドの)BKがしっかり上がって(スペースを埋めて)いる分、内側のFWがもっとサポートできれば」と反省。「(後半は)疲れが出たところもありますし、相手には強いキャリーがいるので1対1になると厳しい。ダブルショルダー(1人のランナーを2人がかり)で狙うのがサンウルブズのディフェンスなのですが、そこがおろそかになった」とも続けた。

 セットプレーや防御と同時に問題視するのは、チームのペナルティの多さだ。過去2戦では、いずれも相手が1桁で抑えているところ2桁の笛を聞き計26個を記録。ラックで相手ボールに手を付けるハンド、接点の上に倒れ込んで相手の球出しを妨害するオーバー・ザ・トップなど、球際での反則は意識ひとつで防げると坂手は言う。

「一人ひとりが判断しないといけない部分(がある)。ボールに絡みながらレフリーを見て、レフリーに『だめ』と言われたらすぐにボールから離れるといったことは(意識すれば)できる。改善したいです」

 クラブの公式サイト上は「身長179センチ、体重101キロ」という25歳。今秋開幕のワールドカップ日本大会での日本代表入りを目指すなか、スーパーラグビーで国際経験を積んでいる。

 他の代表候補の多くはジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチとともにラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)キャンプを張っており、その一部はいずれサンウルブズに合流の見込み。「皆、いろいろなところでラグビーを経験しているし、(長期合宿で)フィットした状態で入ってくる。プラスになることの方が多い」と坂手。逆に自身がRWCTSキャンプへ帯同することもありそうで、「どちらにせよコミットしないといけない」。2つの組織を運営してゆくのが、今回のジョセフのワールドカップイヤーの過ごし方だ。

「(ワールドカップは)もうすぐ来る。一試合、一試合成長しなくてはいけないです。セットプレーで食い込まれることが多いので、うまくいくように練習したいです」

 坂手はこう言い残し、23日のライオンズ戦(シンガポール・ナショナルスタジアム)を見据えた。

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