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「10番」での日本代表入り目指すサンウルブズの松田力也、「未来につながる結果を」。

2019.03.16

メディア対応する松田力也。レッズ戦はリザーブとして出番を待つ(撮影:向 風見也)

 活躍した試合でも、反省点が残ったという。

 サンウルブズの一員として国際リーグのスーパーラグビーに挑んでいる松田力也は、3月9日、ニュージーランドはノースハーバーのQBEスタジアムでのブルーズ戦に先発フル出場。好ランを連発も、20-28で敗れた。チームが要所での反則に泣いていたとあって、司令塔のSOを務めた24歳はプレー選択を悔やんだ。

「もっとコントロールをしないといけない。攻めすぎたところが多くあった。キックのタイミング、種類の引き出しを増やさなきゃいけないと思います。後半、自陣でやる時間が長かった。もっとキックを蹴って敵陣でディフェンスをすれば、相手はミスをしてくれただろうな……という流れだったのですが、自陣で反則を犯して勝ちゲームを逃した。もったいないな、という話にはなりました」

 16日には東京・秩父宮ラグビー場で、レッズとの第5節で2勝目を目指す。ブルーズ戦時のレビューを胸に秘め、ベンチから出番をうかがう。

「いい形でサンウルブズのラグビーをして、ファンの皆様の前で勝てるように頑張りたいと思います」

 今秋はワールドカップ日本大会に、日本代表として参加したい。いまは代表候補にあたる、ラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)にも名を連ねる。他のRWCTSの多くが長期合宿をおこなうなか、松田はサンウルブズに入って試合経験を積む。首脳陣の方針によってだ。

「(スーパーラグビーで)強度の高いゲームができていることを、プラスに捉えています。勝ったり、負けたりするなか、得るものは多い。ゲームコントロールの部分はまだまだ磨かないといけないですが、アタッキングマインドを持って強気で攻める部分はスーパーラグビーでもうまくいっています」

 CTB、FBなどBKの複数ポジションをこなすが、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ率いる現日本代表ではSOを任される。サンウルブズではニュージーランド出身のヘイデン・パーカーが主戦SOを担うなか、松田は「試合のプレッシャーを感じるなかでの10番が、一番、成長できる場所だと思います」。本職でのプレータイムを求めている。

 一方で、こうも続ける。

「(今季は)試合状況によって15番(FB)で出たりしていますが、高い強度の試合でいい経験ができている。焦らず、一試合、一試合、いい準備をしてパフォーマンスを上げていきたいです」

 国際リーグのスーパーラグビーを統括するSANZAARは、現在、2021年以降の同リーグのフォーマットを再考中。サンウルブズは、当面の在籍年限を2020年までとする。それ以降も継続して参戦できるかは、流動的だ。

 この問題について聞かれた松田は、「まずは与えられている今年のリーグで、どれだけ結果を残せるか。未来につながる結果を残したいです」と即答。一連の報道について選手同士で話し合うことは、あまりないという。

「それはもう、皆、言わなくてもわかっていることだと思うので。まず、自分たちの形で勝つという思いが明確にある」

 約束できるのは、与えられた役割を全うすることだ。レッズ戦でSOへ入ることがあれば、妥当な判断でチームを勝たせたい。

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