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イングランド、8トライの猛攻でイタリアに大勝。最終節での優勝へ望み。

2019.03.10

14番を背負い、たびたび好走を見せたイングランド代表ジョー・ゾカナシンガ。(写真/Getty Images)


 前節でウエールズに敗れたイングランドが、ホームのトゥイッケナムで最下位のイタリアに57-14で大勝した。8トライを挙げる猛攻でボーナスポイントも獲得し、最終節での逆転優勝に望みを繋いだ。
敗れたイタリアは、この試合で大会21連敗という不名誉な記録をさらに更新することとなった。

 この日のイングランドはCTBに104キロのベン・テオ、111キロのマヌ・トゥイランギ、右WTBに114キロのジョー・ゾカナシンガと、大型BKを揃え、徹底的にパワーでイタリアを圧倒。ボール、地域支配率共に60パーセントを超え、試合を通して横綱相撲を展開した。
 さらに、エリオット・デイリー(FB)の鋭い走りと、トゥイランギの相手タックルを振り切る力強い走りから、再三に渡りラインブレイクを見せ、前半だけで4トライ。早々に、トライボーナスポイントの獲得を達成する。
 イタリアは、トンマーゾ・アラン(SO)が、ブラインドサイドのスペースを巧みに走り抜けてトライを挙げるなど一矢報いるが、31-7と前半終了時点でほぼ試合は決まってしまった。

 後半に入っても勢いの衰えないイングランドは、トゥイランギ、ジョージ・クルース(LO)、ダン・ロブソン(SH)、ブラッド・シールズ(FL)が立て続けにトライを奪う。
 イタリアは、BKに好球が供給されれば、アラン、ミケーレ・カンパニャーロ(CTB)のランプレーなどでチャンスを作り出し、53分にはルカ・モリシ(CTB)がトライを奪うが、これが後半唯一のトライ。1対1のタックルを外す場面が目立ち、大量得点を献上してしまった。
 終わってみればイングランドが57点を奪い、最終節を前に、得失点差でも大きなアドバンテージを得ることとなった。

 試合後の記者会見では、流暢なイタリア語でのコメントも披露したアイルランド出身のコナー・オシェイ監督が前を向いた。
「プライド、という言葉でよく表現しますが、我々はどんな劣勢に立たされようとも、腐ったり、望みを捨てたりするようなことは決してありません」
 ハムストリングの負傷により途中退場となったセルジョ・パリッセ(NO8)主将は、次節の最終戦に出場するかと聞かれると「当たり前だろ」と、強気の姿勢を見せた。

 前節の敗戦後、選手交代による戦術の変更をおこなわなかった点で批判を受けたイングランドのエディ・ジョーンズ監督は、自身の手腕に疑いを持ったかと聞かれると、やや間を置いた後に、「それはどうでしょうか。たぶん、そんなことはないと思います」と答えた。
 最終節での逆転優勝のためには、アイルランドがウエールズを敗れる必要がある点について聞かれると、「我々は、自分たちの力でコントールできないことを心配したりはしません。自分たちの力でコントールできること、とにかく最終節でスコットランドを敗ることに全力を尽くします」。自身の哲学がぶれないことを述べた。

 最終節に優勝の望みを繋ぐイングランドは3月16日、本拠地トゥイッケナムにスコットランドを迎える。

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