3月4日、日本代表ラグビーワールドカップトレーニングスコッドのキャンプ第5クールが、氷雨の降る中、千葉県浦安市のNTTコミュニケーションズ アークス浦安パークで始まった。
初日のサプライズは、ナキことNO8アマナキ・レレイ・マフィの合流だろう。日本協会から追加招集が発表されたのは、練習の始まる3時間前だった。
視察に訪れた薫田真広強化委員長は昨年12月、本人と関係者で面談。「世間を騒がせたことに対して本人の反省が強い(昨年7月にニュージーランドで、当時所属していたレベルズのチームメイトに対して暴行事件を起こしていた)。活動の場が全くないことも考慮。NZでの司法判決が出たら、改めて協会として判断を下すことに変わりはない」と招集理由を述べた。在籍するNTTコムでの合宿、ワールドカップ開幕まで200日となった節目の日だったが、「偶然。たまたまこのタイミングになっただけ」という。
日本代表参加は昨年の6月以来だったが、コンタクトバッグに当たると、構えている相手が大きく後退。飛びぬけた存在であることを改めて印象付けた。リーチ マイケル主将は「彼はインパクトある選手。入ることで、練習のスタンダードが上がる」と歓迎する。
本人は囲み取材で「久しぶりにみんなと練習して、すごく疲れた」。口数は多くないものの表情は和やかで、居場所に戻れてホッとしているようでもあった。
「アピールしかない。これからはなんでも100%出していく。(試合出場は)監督の判断。もちろん自分は出たい」
ワールドカップに出場できるかはニュージーランドの司法判断を待つしかないが、どんな監督であろうとも、使いたくなるポテンシャルを持つことを改めて見せつけた。