ラグビーリパブリック

「ゲームをしながらフィットネスを」。ツイが示した、首脳陣を信じる心。

2019.02.28

ワラターズ戦で力強いボールキャリーを見せたツイ ヘンドリック(撮影:榎本芳夫)

 ツイ ヘンドリックは、「やるしかない」と潔い。今秋開幕のラグビーワールドカップ日本大会を見据えながら、まずは国際リーグで役割を全うする。

 2月23日、東京・秩父宮ラグビー場。南半球最高峰リーグであるスーパーラグビーの国内初戦に日本のサンウルブズの一員として挑んだ。日本代表ヘッドコーチ(HC)のジェイミー・ジョセフとサンウルブズHC兼日本代表アタックコーチのトニー・ブラウンの名前を挙げ、こう言った。

「いまはサンウルブズに加わってプレーできるのが嬉しいと思っています。ジェイミーとブラウンの計画を信じ、やり切る。やるしかない。一生懸命やります」

 2015年からの3シーズンはオーストラリアのレッズに在籍し、通算30試合に出場。スーパーラグビーでの実績は十分の愛称「ヘンディー」は、今季加わった新天地でも持ち味を発揮。優勝経験のあるワラターズに30-31と迫った23日の一戦では、タッチライン際での突破役として防御網を切り裂いた。

「先週と比べて改善できました。また来週のチーフス戦に向け、どう改善できるかビデオを観ていきたい」

 シャークスに10-45で敗れた16日の初戦(シンガポール・ナショナルスタジアム)を受け、チームは組織防御を改善。もっとも2試合続けて背番号6をつけたツイは、決して満足しない。

 守備網を接点付近からタッチライン際へ移動させる際、進行方向と逆をワラターズに突かれて失点を招いたこともある。3月2日にはニュージーランドの強豪チーフスと激突する。敵地ハミルトンのFMGスタジアム・ワイカトに乗り込む前に、細部を点検したい。

「ディフェンスの全体的なバランス、1対1のタックルはよくなりましたが、そのような細かいところ(に改善点がある)。誰がラック(ランナーが倒れた接点)の周りに入るか、誰がショートサイド(狭い区画)に入るか…。そういったことを、もっとうまくやりたいと思います」

 2014年に帰化した身長189センチ、体重108キロの31歳。ニュージーランドのオークランドから来日し、帝京大、パナソニックを経ていまはサントリーにも在籍する。2012年に日本代表へ初選出され、2015年のワールドカップ・イングランド大会で歴史的3勝を挙げている。

 昨秋、2017年6月以来の代表復帰を果たした。今年9月開幕のワールドカップ日本大会では、2大会連続出場を決めたい。

 主要な日本代表候補は現在、都内でのラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)キャンプに参加するグループと、開幕からサンウルブズに加わるグループに分かれている。ツイは自身がサンウルブズ側に回った状況を「ジェイミーとブラウンが計画を立て、そのようにしている」と素直に受け止めているという。RWCTSキャンプが走り込みを繰り返していると知ってか、ジョークを交えて言った。

「個人的には、いまのようにラグビーのゲームをしながらフィットネスを上げるのが好き。おそらくキャンプをしている選手たちは走ってフィットネスを上げようとしていると思いますが、私も、だんだん年を取ってきたので」

 RWCTSキャンプ組のリーチ マイケルら実力者がひしめくFW第3列争いにあって、ゲーム中のパフォーマンスでアピールしたい。

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