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日本代表候補の山中、W杯出場へ「BKの選手はチームメイトでもありライバル」。2015年時との違いは?

2019.02.28

ワールドカップ初出場へ向けてハングリーな山中亮平(撮影:松本かおり)

 今年31歳になる山中亮平は、「チャンスは今年しかないと思っている」。ラグビー日本代表として、悲願のワールドカップ初出場を目指す。歴史的3勝を挙げた2015年のイングランド大会時は、春から夏にかけての直前合宿に参加しながらバックアップメンバーに回った。今度の日本大会では、桜のジャージィを身にまといたい。

 2月4日に東京・キヤノンスポーツパークで本格始動した、ラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)キャンプに参加。山中は12月中旬から休暇が付与されていたRWCTSではなく、その予備軍のナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)から繰り上がった格好だ。

「目標はワールドカップ。何としてでも行きたいですね。他のBKの選手はチームメイトでもありライバルでもあります。(自身は)NDSなので、アピールできるところはアピールする。フィットネス、練習の姿勢で自分を見せられたらいいなと思います」

 RWCTSキャンプでは、参加者が4つのミニチームにわかれて活動。それぞれに「赤」「青」「黄」「緑」のTシャツが配られ、各組が練習中のアクティビティの順位やグラウンド外でごみを拾った回数などをポイント化する。

 同種の習わしは、日本代表とリンクするサンウルブズ、山中の国内所属先の神戸製鋼でもおこなわれる。ちなみに神戸製鋼では「神戸」「加古川」「真岡」「大安」といった具合に、ミニチームの名が親会社の製鉄所や製造所の所在地となっている。

「ミニチームごとに作戦を立てたり、話し合ったり。そこでコミュニケーションが生まれます。(チーム間で)競いあうこともでき、チームワークもよくなる」

 自国開催のワールドカップを目指す日本代表にあっても、山中はミニチームという制度を好意的に捉える。キャンプ4週目にはリーチ マイケル主将がプレイヤーズミーティングを実施。エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチのもとタフなセッションで鍛えた前回大会時以上に、現体制は選手主導での組織作りをしたいという。

 基本スキルとフィットネス練習を繰り返していたキャンプ序盤、山中は、4年前の準備期間との違いをこう話していた。

「この合宿では基本のスキル、コンディショニングのところを意識。エディーの時はもっとしんどかったというイメージがあります。いまはまだ、ワールドカップまで時間がある。ベースを作るというのが、ジェイミー(・ジョセフ ヘッドコーチ)のやろうとしていることだと思います」

 いまの山中がおもにプレーするFBでは、主力格の松島幸太朗がRWCTSとしてこのキャンプに参加。野口竜司、尾崎晟也といった23歳の2人も途中合流し、競争を激化させている。

「チャンスは今年しかない」とワールドカップ出場を目指す山中も、悔いなき日々を送りたい。