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4年目の開幕戦は沈黙…。サンウルブズ、シャークスに完敗。

2019.02.17

圧力を受け続けたサンウルブズ。写真は先発で9番のジャージーを着た茂野海人(写真/Getty Images)

 前半を終えて10-24。30分過ぎまでは10-10と互角だった。

 ただ、新調した真っ赤なジャージーの得点は、最後までそのまま動かなかった。

 2月16日にシンガポールでおこなわれたサンウルブズの2019年シーズン開幕戦。シャークスとの一戦は10-45の完敗だった。

 高速展開を試みればミスが出た。ディフェンスは統制が取れず、反則を繰り返す。圧倒したのは反則数だけだった(17-8)。

 PGで先制されたサンウルブズは、9分過ぎにスクラムでFKを得ると、速攻を仕掛ける。SOヘイデン・パーカーが防御裏に蹴ったボールをCTBシェーン・ゲイツが追う。跳ねた楕円球は背番号13の手に入り、そのままトライラインを越える。コンバージョンも決まって7-3と逆転した。

 14分過ぎには敵陣深くに攻め込んで得たラインアウトからモールで圧力をかけて反則を誘う。PGで加点して10-3とした。

 リズムが崩れたのは、その直後だ。シャークスのキックオフを受けたサンウルブズは、NO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコが自陣でノット・リリース・ザ・ボールをとられてPKを渡す。その直後のラインアウトからモールを押し切られ、10-10とされた。

 35分にはスクラムのコラプシングからPKで前へ出られ、ラインアウト後のモールでも反則。さらにラインアウト後に押し込まれ、FWにインゴールへ入られた。

 38分もミスが始まりだった。ノックオン後のスクラムから鮮やかにサインプレーで走られ、嫌な空気で前半を終えた。

 後半、巨大スタジアムは静まり返ったままだった。

 ファンを盛り上げるための「アウォーン」の効果音より、サンウルブズに吹かれるホイッスルの方が多かったか。

 ミスで試合がブツ切りになり、大きな相手を疲れさせるプランはまったく実現されなかった。

 後半失ったのは3トライも、もっとやられた気分だった。

 試合後、この試合の指揮を執ったスコット・ハンセン アシスタントコーチは、「実質、これが(今年のチームの)実戦初戦。選手はよく戦ったが、課題がたくさん出た。それを一つひとつ改善していくしかない。これが自分たちのいまの実力」と話した。

 共同主将のひとりPRクレイグ・ミラーも、「スクラムがうまくいかなかった理由はたくさんあると感じた。80分の中で修正していかないといけなかった。この反省を次につなげていくしかない」と先を見た。

 市原、別府、メルボルンと準備を重ねてきたが、その成果は、前半に時折見られたハードタックルぐらいだったか。フィジカルの強さをアピールできた選手は何人かいたが、アウトサイドの防御の乱れなど、コミュニケーション不足は明らかだ。

 外国人選手が主体のシーズン前半戦。チームが目指すスタイルの完成形を示し、それをW杯へ向かうジャパンの成功につなげたいと首脳陣は考えている。

 しかし開幕戦では、「やってはいけない」ことを示すだけの時間に終わってしまった。

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